開発元 Object Software
中国北京に本拠を置くゲームデベロッパーObject Softwareの最新作「Seal of Evil」のPlayable Demo。同社は中国のゲームメーカーとしては珍しく、すこぶる早い段階からワールドワイド展開を果たしたメーカーだが、ジャンルもRTSを皮切りに、アクションRPG、MMORPGと意欲的。今回はややアドベンチャー寄りのアクションRPGのようだ。
「Seal of Evil」は、同社の得意分野である古代中国をモチーフにしたアクションRPG。ゲームエンジンは「Prince of Qin」シリーズのものをブラッシュアップして使っているようで、「Prince of Qin」や「World of Qin」といった過去のタイトルに比べると、メニューや移動などのインターフェイスまわりがユーザー本位になってきたという印象を受ける。
ビジュアルは2Dをベースに、エフェクト部分のみ3Dを採用するという、今や懐かしいテクノロジーが使われている。そもそものベースである「Prince of Qin」も「Diablo」のコピーだったが、今回は「Diablo II」のコピーという印象が強い。
いきなり厳しいことを書き連ねたが、評価できる部分もいくつかある。まず古代中国の再現ぶりが素晴らしい。これに関しては「Prince of Qin」からさらに磨きが掛かっており、仏像や壁画などの大型のオブジェクトから茶器や家屋などの細かいオブジェクトまで、抜群のディテールで表現されている。なぜこれをオリジナルのゲームデザインで表現しないのだ、という思いでいっぱいになる。
あと、これに関しては賛否両論ありそうだが、初心者に優しいユーザーヘルプ要素。たとえば、野外ではアクティブモンスターが近づいてくると自動的に反撃を開始するだけでなく、遠隔攻撃が主体となるキャラクタは自動でヒット&アウェイ戦法を試みる。さらにHPが減ると自動でポーズがかかり、プレーヤーの頭を冷やすゆとりを与えるなど、日本のコンソールゲームに通ずるこれらの親切設計は好感が持てる。
このDemoでは、プロローグシーンから、序盤のクエストをいくつかプレイできる。移動可能なエリアも町を含め5つ以上あり、変化に富んだ冒険を2、3時間はたっぷり楽しめる。レベルもさくさく上がり、心地よくプレイできる。敵からのドロップが合成素材のみで、装備を調えるには、何度も店売する必要があったりするが、ゲームそのものはそつない出来といえる。アクションRPGファンにお勧めしておきたい作品だ。
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