発売元 カプコン
カプコンが4月16日に発売を予定している「ポートロイヤル -カリブ海戦記-」の体験版。同社としては珍しく、すでに日本語化されており、遊べすぎるほどにたっぷり遊べる。内容もわかりやすく、ユーザーを問わずお勧めできる体験版だ。
「ポートロイヤル -カリブ海戦記-」は、原題を「Tortuga: Pirates of the New World」と言い、昨年同社が発売した「ポートロイヤル -カリブ大航海記-」と同エンジンを使った別アプローチのタイトルだ。
この手の海洋冒険シミュレーションゲームは、あちこちの寄港地で特産品を安く仕入れ、必要とされるところに高く売るという商船行為そのものがゲームの軸となっている。寄港地に向かう航海そのものにアドベンチャー性があり、行く先ざきに困難なミッションが待ち受け、時には海賊船との死闘が繰り広げられる。大航海時代の海洋ロマンをうまくゲーム化した、知る人ぞ知る人気ジャンルのひとつと言っていい。
前作「ポートロイヤル -カリブ大航海記-」は、大航海SLG+本拠地のコンストラクション要素を主軸にしたゲームデザインだったが、今回は大航海SLG+海戦が中心となっている。
といってもゲームが扱っている時代や年代は変わらず、インターフェイスもまるで同じなので、はっきり言ってしまうと前作にずっぽりハマッたプレーヤーは改めてプレイする意義は薄い。前作が純粋なシミュレーションゲームだとすれば、今作は海戦メインという点でややアクション寄りの内容になっている。その程度の違いだ。逆にいうと前作が細々しすぎてつまらなかったという向きには、今作の方が合っているかもしれない。
海戦重視のゲームだけに、ゲームの目標も直截的で、体験版では「10年以内に3つの町をスペインに併合する」となっている。10年という時間は、実際の時間で優に数時間はあるほど長いため、当面の間は目標達成は先送りにしても問題ない。
ゲームの展開は、総督から提示されるミッションをクリアすることで、軍資金を獲得し、それと同時にカリブ海の地理や特産品の分布を覚えていく。ミッションの内容は、遠隔にある港町への寄港から、海賊退治、物資輸送などさまざまで、常に明確な目標が設定されるため非常に遊びやすい。
獲得した資金は、特産品購入の資金にまわしてもいいし、乗組員に分配してもいい。ただし、長期航海にはそれなりの資金が必要になるため、ある程度の金は手元に残しておかないと、大海賊に襲撃されたりといったアクシデントに遭遇しただけで首が回らなくなる。
いずれにしても、特産品の売り買いの差益で地道に稼がないと身動きできないのではなく、最初からミッションでがっぽり稼げるゲームデザインはわかりやすくて好感が持てる。海洋冒険モノの入門としてお勧めしたい作品だ。
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