発売元 THQ
ウクライナのゲームデベロッパーGSC Game Worldが現在開発しているDirectX 9世代のアクションシューティング「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」のWeapons Movie。文字通り、銃器の扱いを中心としたゲームの魅力を詰め込んだ内容だが、単に銃撃シーンに留まらず、見事なライティング処理やターゲットオブジェクトのリアルな物理演算処理など、なかなか盛りだくさんな内容で見応えがある。FPSファンなら一度は見ておきたいムービーだ。
「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」は、自社開発したDirectX 9世代のゲームエンジンX-Rayエンジンをひっさげ、昨年のE3において鮮烈なデビューを遂げた次世代アクションシューティング。同作はクリエイター自ら「ライバル」と公言するValveの「Half-Life 2」、id Softwareの「DOOM III」ともども、いつまで経っても発売時期が見えてこないタイトルのひとつだが、今年に入ってゲームタイトルを「S.T.A.L.K.E.R.: Oblivion Lost」から「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」と変更し、発売時期についても9月とするなど、発売に向けて徐々にシフトアップしつつある。
「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」は、そのサブタイトルからも内容が想像できるように、'86年に旧ロシア ウクライナ地方で発生したチェルノブイリ原発事故をモチーフにしている。といっても直接的なモチーフではなく、ゲーム舞台はウクライナ チェルノブイリ地方だが、時代設定は2026年となっている。
2006年に原発跡地で発生した謎の爆発事故によって、周辺は再び放射能に汚染され、突然変異した動物たちの報告も聞かれるようになる。プレーヤーは、同地域の調査活動を行なう傭兵集団「STALKER」のひとりとして、荒廃し尽くした同地に足を踏み入れることになる、というのが作品の大まかなバックグラウンドだ。つまり、枠組みとしてはリアル系のSFアクションシューティングということになる。
さて、ムービーでは、テーブルにずらりと並べられた銃器、弾薬、その他アイテム類の紹介から入り、その後各銃器の射撃シーンに移る。銃器の紹介では、モデリング精度の高さや美しさといった見た目上のクオリティではなく、やや古びた使い込んだ感じを前面に押し出しており、戦場のリアリティを感じさせてくれていい感じだ。
射撃シーンでは、ピストルやアサルトライフル、スナイパーライフル、対戦車砲などなど、それぞれの銃器の特性を活かした映像を見ることができる。いずれも射撃モーションから、リロードモーション、そして炸裂のエフェクトまでなかなか凝っているが、中でも驚かされるのは物理エンジンによるターゲットのリアルな動きだろう。
正確な当たり判定や貫通の概念はもちろんのこと、バランスを崩して倒れる際の各パーツの動き、手榴弾のランダムな跳ね具合、バラバラに吹き飛ぶ木材のパーツなどなど、そこにはあらゆる物理法則の適用と、地球の重力の存在を感じさせる。ベタな表現になるが、「Half-Life 2」に勝るとも劣らない物理演算処理の競演といっていい。
ほかにも、風になびいて細かく表情を変える草花や、射撃を受けて倒れるわずかの間にも反射する光量を動的に変化させる的、時間の経過を感じさせるサビやペンキの剥げをふんだんに織り交ぜた技ありのテクスチャなどなど、際だった部分を挙げればキリがない。ゲーム大国アメリカの技術力を脅かす大作アクションシューティングといえそうだ。
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