発売元 Dreamcatcher Interactive
「Syberia」を世に送り出したDreamcatcher InteractiveのアドベンチャーゲームブランドThe Adventure Campanyの新作アドベンチャー「Jack The Ripper」のPlayable Demo。すでにM3が日本語版の取り扱いを正式発表しているが、具体的な発売時期はまだ見えていない。まずはこのDemoで試してみるといいだろう。
「Jack The Ripper」は、19世紀末にロンドンで発生し、迷宮入りとなった連続殺人事件にインスパイアされたピュアアドベンチャーゲーム。同作はこの事件そのものではなく、20世紀初頭のニューヨークで発生した同質の殺人事件が題材になっている。
同質のというのは、ニューヨークの貧民街で売春婦が刃物で咽喉をかききられて殺害されていることを指している。ニューヨーク市民はこれを「切り裂きジャックの再来」と呼び、号外まで出して騒いでいる。プレーヤーはニューヨークトゥデイの新米記者Jimmy Palmerとなり、事件の謎に迫っていくことになる。
基本的なシステムは、QuickTime VRや「Myst」シリーズなどと同様にキャラクタの周りをぐるりとテクスチャを張り巡らせ、マウスで視点をぐりぐり動かしつつ、ネタを拾っていく、という古風なスタイルを採っている。奥へ進む道や、ドア、階段などがある場合は、左クリックで先に進むことができる。
キャラクタのみは3Dモデルで描かれ、通りを歩いていたり、タバコを吹かしていたり、周囲に洩れないように手を口に添えておしゃべりしたりとなかなか凝っている。視点は基本的にぐりぐり回すことしかできないため、場所によってはキャラクタが死角になっていることもある。そこに謎がある、といった具合でつくりとしては非常にオーソドックスだが、場末のすえた雰囲気をほどよく臭わせるうまい演出で、ぐいぐいプレーヤーを引っ張っていく。
中でもうまいのは、BGMとサウンドエフェクト。このDemoにはオプション機能が付いていないのでサウンドフォーマットは不明だが、サラウンド機能を効果的に使って、時には和やかに、時にはホラー感たっぷりに現場の雰囲気を演出している。1度だけ本気でドキッとさせられたが、あれは何かの謎かけだろうか。もう少し先をプレイしたいと思わせる良質のDemoだ。
(C) 2004 Dreamcatcher Interactive
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