発売元 JoWooD Productions
デンマークのゲームデベロッパーIndependent Artsが現在開発しているリアルタイムストラテジー「Against Rome: Gallery & Chronicle」のPlayable Demo。ヨーロッパ産と聞いて期待大でプレイに臨んだが、ゲームデザインは完全に前時代的で、箱庭系RTSとして名高い「Settlers」シリーズを彷彿とさせる。戦闘重視のRTSとしては、いまひとつピリッとしないが、歴史好きなら楽しめるだろう。
「Against Rome: Gallery & Chronicle」は、200~450年のヨーロッパにおける古代ローマ帝国の北伐を題材にしたRTS。「Against Rome」というタイトルどおり、ローマ対非服従国との死闘を描いており、ターゲットとしてはチュートン、ケルト、フンの三大蛮族が登場する。設定的には、「Age of Empires: Rise of Rome」と「Age of Empires II:The Conquerors Expansion」のちょうど中間ぐらい年代を扱っており、大いに興味をそそらせてくれる。そもそもローマ帝国後期を扱ったRTS自体がレアケースだろう。
また、同作は単に力攻型のRTSではなく、適度にファンタジー要素も持たせており、ドルイド(ケルト)、プリースト(チュートン)、シャーマン(フン)といったユニークユニットが魔法を使うことができる。超大国であるローマ帝国が、怪しげな幻術を用いる北方の蛮族と死闘を繰り広げる、という設定もなかなかユニークだ。
が、実際にプレイしてみたところ、そうした期待のすべてが裏切られた。まずユニットの動きが必要以上にもっさりしており、移動命令に対して行動開始するのが遅く、さらに大部隊用のAIが未熟で、間に障害物を挟んでの移動命令は、散開命令に等しい状態になる。何より、クリックしてから反応があるまで、ワンクッションあるようではRTSとして問題外だろう。
グラフィックは2Dながら、丘や山といった高低差の激しいフィールドを実に丁寧に描いており、その上に雷や雪といった天候エフェクトを散らすなど、ビジュアルクオリティは2DRTSとしては最高水準にあるが、ユニットの動きが良くないため、何をしてもぜんぜんおもしろくない。
なお、発売時期は未発表になっているので、これからさらなる作り込みに入るものと見られる。が、これから相当の努力をしなければ世界のRTSファンをなびかせることはできないような気がする。今後のチューンナップに大いに期待したい。
(C) 2003 by Independent Arts
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