開発元 Electronic Arts
EAの「NASCAR」シリーズ最新作「NASCAR Thunder 2004」のPlayable Demo。毎年恒例のタイトルだが、ここ数年、ビジュアル的な進化は留まっており、今作においても「2003」との表面上の違いは選手データだけといっていい。シーズンを通じてチェックしている生粋のNASCARファンのみにお勧めできそうなマニアックなシミュレータだ。
「NASCAR Thunder 2004」は、米国特有のストックカーレースを題材にしたレースシミュレータ。現在NASCARシミュレータは、EAの「NASCAR Thunder」と、Sierraの「NASCAR Racing」の2大ブランドの独占状態になっているが、いずれもシミュレーションに特化した内容になっている。数十種類にも及ぶセッティング項目、実戦同様の細かいレギュレーション。セオリーを無視すると完走すら覚束ないレース展開。これほど敷居の高いゲームシリーズはなかなかない。
近作ではスライドバーをいじるだけで、自分好みのセッティングが可能になったりするなど、初心者向けの改良も施されてはきているが、それでもNASCARに縁のない国のユーザーからすると、まだまだ難しい印象がある。
「NASCAR Thunder」シリーズの魅力は、自前で「EA SPORTS 500」というレースと架空のコースを揃えているところ。演出も派手で、場内アナウンスを含め、NASCARの臨場感を余すところなく伝えてくれる。また、EA SPORTSではすっかりお馴染みとなったオリジナルのテーマソングも収録されており、レース前の雰囲気をほどよく盛り上げてくれる。
その一方で、ライバルカーのAIはまったく進化しておらず、レース序盤~中盤の団子状態から明らかに嘘っぽい動きをするのにはがっかりさせられた。「NASCAR Thunder」シリーズは、前作から「Xbox LIVE!」対応という北米ならではの強みを備えているが、この内容ではPCユーザーだったら迷わずSierraの「NASCAR Racing」シリーズを選択するのではないだろうか。
Demoでは、TalladegaでのEA SPORTS 500とTexasでのSamsung/RadioShack 500の2レースを収録しており、遊びがいはたっぷりある。AIがコンピュータ的動きなので、いまひとつシングルプレイは熱くなれないが、Game Spyサーバーを使ったマルチプレイにも対応しているので、そちらも試してみるといいだろう。
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