開発/発売元 Konami
日本を代表するホラーアドベンチャー「Silent Hill 3」のPlayable Demo。欧米で11月21日発売を予定しているPC版は、セットアップこそ日本語はないものの、ゲーム内の字幕には日本語も選択可能。解像度やテクスチャのクオリティも自由に変えられ、コンソール版よりも美しいグラフィックでホラー体験が堪能できる。ファイルサイズが大き過ぎるのが玉に瑕だが、しっかり遊べるお勧めのDemoだ。
「Silent Hill 3」は、ホラーに特化した内容で、国内のみならず世界的に人気を集めているホラーアドベンチャーゲーム。ゲームのモチーフとなっているのは、主人公の女性の悪夢そのもので、夢ならではのぼんやりとしたエフェクト表現や、生理的な嫌悪感を催さざるを得ないような血だらけの猟奇的な世界観は、まさしく現実のモノとは思えない。
グラフィックはフル3Dで、3人称視点固定。視点は基本的に主人公の後ろを追従する位置に自動操縦され、視点そのものは自由に動かせない。ゲームは胸に付けたライトのみを頼りに少しずつ歩みを進めていくスタイルで、左クリックで「調べる」、右クリックでナイフを構え、この状態で左クリックを押すとナイフを振るう。
いずれもホラーアドベンチャーならではの独特の仕様といっていいが、アドベンチャーシーンでは、その独自の視点操作が恐怖を演出するのに抜群の効果を生み出しているものの、モンスターとのバトルでは戦いを阻害する要因にしかなっていない。また、ステージを切り替え時に画面視点を主人公を正面に当てるのはいいとして、それによって生まれた死角からモンスターを飛びかからせるのは、ホラーの演出として邪道だろう。本来主人公の視界に入っているはずの敵に反応できないのは、理屈で考えてやはりおかしい。
イベント時の主人公の細かい表情の変化や、ポケットライトによる独特のホラー表現は抜群にうまいと思っただけに、視点誘導による安易なホラーの演出は、非常にもったいない。このレベルのビジュアルが実現できているのであれば、あえて視点固定にする必要はなかったように思う。とはいえ、PS2レベルでこのビジュアルは大いに評価できる。PC版の高解像度で見てもまったく色褪せないことがそれを証明している。
このDemoでは、ナイフを持った状態で、いきなり闇夜の遊園地の中に取り残されるという悪夢のプロローグシーンがプレイできる。前置きらしい前置きもなくいきなり物語がスタートするので、何をどうしていいのかとまどうが、基本的に一本道なので、暗がりに注意を払いつつ、行ける道を進んでいくことでクリアできる(悪夢から解放される)。
実際のゲームでは、悪夢と現実を行き来しながら、さまざまな謎を残しつつ、古典的な予知夢ミステリーが展開される。プレイ時間はゆっくり進んでも10分程度で、このファイルサイズならもう少しプレイできても良かったように思う。と思わせるということは、Demo作り方としてはまずまず成功といったところだろう。
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