発売元 Sales Curve Interactive
Pivotal Gamesが9月に欧米でPS2、Xbox、GC、そしてPC向けに発売を予定しているアクションシューティング「Conflict: Desert Storm II」のPlayable Demo。Pivotal Gamesは2000年に誕生した英国のデベロッパーで、スタッフはいずれも経験者揃い。「Conflict: Desert Storm」と「The Great Escape」の開発で一躍名を挙げ、「Conflict: Desert Storm II」もヨーロッパ人のツボを突く佳作に仕上がっている。ともあれ、同社は、今後要注目メーカーのひとつといえそうだ。
「Conflict: Desert Storm II」は、'91年の湾岸戦争における特殊部隊の市街戦を描いたアクションシューティング。このモチーフは前作とまったく同じであり、イラク戦争ではない時点で、個人的にやや腰砕けだったのだが、実際にプレイしてみると、さくさく遊べるライトなゲーム性で、ごりごりのFPSとは異なる、別ジャンルのアクションゲームとして評価できる作品ということがわかった。新設計のゲームエンジンも好印象を後押ししている。
いきなり重箱の隅をつついてしまうと、インターフェイスがFPSのデファクトスタンダードではなかったり、ターゲットカーソルの動きが鈍かったり、オブジェクトによってテクスチャの解像度の差が激しかったり、爆発のパーティクルエフェクトも荒っぽかったりして、純粋にPCプラットフォームのアクションシューティングとして評価すると、高い点は付けられない。
これらはおもにゲームエンジンがコンソールベースであることが大きなマイナス要因になっているわけだが、その一方で、一見リアル系でありながら、実はバリバリのゲーム性重視の軽快なゲームデザインが非常に新鮮で楽しい。これは「Tomb Raider」シリーズや「Time Splitter」シリーズなど、フル3D、フルインタラクティブの3人称視点のアクションシューティングをスタンダードとする英国ならではの作品といえる。
シチュエーションは、英国のSASもしくは米国のデルタフォースのそれぞれ異なる能力を備えた4人のスペシャリストを操り、困難なミッションにチャレンジしていくというもの。基本的にこちらが常に兵力の上では少なく、いかにして群がり来る敵を一方的に殲滅するかがポイントとなる。
行く手には、小銃を構えた歩兵だけでなく、装甲車や戦車なども出現し、たびたび全滅の危機にさらされる。しかし、こちらの兵装には余裕があり、弾丸も余るほど携帯しており、さらに手持ちのメディカルキットを使うとHPがほぼ全回復するという驚きのシステムを採用しているため、それなりに踏ん張れる。
しかも、味方が死亡してもそれは瀕死状態で、メディカルキットを使うことで再び戦線に復帰させることができる。このため、たとえば現代戦車の戦車砲の直撃を食らって3人倒れても、1分後には4人がHPフルの状態に復活できる。この粘りに粘りまくるゲーム性が、やる気と緊張感を持続させ、ついつい熱中してしまうわけである。リアル系とはかけ離れたゲームだが、エンターテインメントとしては上質。アクションシューティングファンはまずは一度試してみるといいだろう。
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