発売元 ズー
ズーが9月12日に発売を予定しているリアルタイムストラテジー「Soldiers of Anarchy 日本語版」のPlayable Demo。チュートリアルをプレイした時点では「おやおや」と思わざるを得なかったが、ミッションをプレイしてみて、その度外れたゲームデザインに感心させられた。ドイツ的箱庭魂全開のミリタリーRTSだ。
「Soldiers of Anarchy 日本語版」は、近未来の荒廃した地球をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。2004年に発生した「突発性ゲノム変質症候群」により、人類滅亡の危機にたたされた地球。現実世界で言えばサーズが蔓延し、それがきっかけで核戦争が勃発、といったシチュエーションを考えるとわかりやすい。ただ、サーズと異なるのは、それが人為的なものであるというところ。果たして生き残った人々はシェルターの中に隠れ、そのまま10年の月日が流れる。ここまでがプロローグになる。
同作の凄いところは、こうした特異なバックグラウンドではなく、フル3D、フルインタラクティブ環境で、現代戦を再現しているところだ。通常、フル3DのRTSというと、クォータービューもしくはバードビューを採用したゲームがほとんどだ。これによって1画面内に表示されるデータ量を制限し、快適なパフォーマンスを維持するという、いわばRTSプログラミングの常套テクニックのひとつである。
ところが同作は、びっくりすることに空と地平線が見えるほぼ真横の視点を採用している。それも適当な距離でフォグを置いてごまかすのではなく、見渡す限りしっかり描いており、気分はまるで山頂から敵配置を望む軍司令官の気分だ。同作は昨年発売されたタイトルだが、オブジェクトとの距離に応じてリアルタイムにテクスチャの解像度を切り替え、全体としての処理を軽減する段階的LODもしっかり導入しており、これほどダイナミックなゲームデザインを採用していながら、適度なパフォーマンスを実現している。
細かいことを書くと、このためにユニットが家や大木といった大型オブジェクトの影に隠れやすく、またヘリ操作のような珍しい視点変更インターフェイスを採用していることもあって、チュートリアルでは「おやおや、操作しにくいゲームだな」と思ったわけだが、同作の圧倒的なダイナミズムを見せつけられたあとでは、こうした不具合は何でもなくなってくる。このゲームデザインは賛否両論ありそうだが、このチャレンジ精神は最大限に評価できる。
「軍司令官の気分」と書いたが、同作におけるプレーヤーの役割はあくまで小隊指揮官。隊員達は、それぞれスペシャルスキルを持ち、ミッションクリアのためにはそれを活かした戦術が必要となる。自由度は高いが、難易度も高い。じっくり取り組んでみるといいだろう。
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