発売元 BlackIsle Studios
「Baldur's Gate」に代表されるD&Dシリーズで名を馳せたBlackIsle Studiosの久々の新作RPG「Lionheart: Legacy of the Crusdader」のPlayable Demo。同シリーズの実質的な開発元であるBioWareがInterplayからInfogrames(元ATARI)に移り、D&Dの版権から何から丸ごと持って行かれて一時はその存続すら危ぶまれた同社だが、これまでのノウハウを完全新作で見事に昇華させている。RPGファンならぜひともプレイすべき佳作だ。
「Lionheart: Legacy of the Crusdader」は、「Baldur's Gate」において定着したネットワーク対応RPGに属する重厚長大型のファンタジーRPG。ネットワーク対応RPGとは、シングルプレイRPGとして完結しつつ、シングルで育てたキャラクタをインポート(持ち寄って)して、友人達とパーティーを組んでオンライン上でも楽しめるという柔軟性の高いゲームジャンルのことで、広義では「Diablo」シリーズもこれに含まれる。
基本的なインターフェイスは、過去のD&Dシリーズを完全に踏襲しており、フォトリアルに描かれた美しい2D世界を、マウス操作により自由に行動しながら、さまざまなクエストにチャレンジしていくことになる。バトルシステムはリアルタイムだが、ポーズも可能。基本的なプレイスタイルはD&Dシリーズと同じと考えていい。
画面構成や雰囲気は、アドオンを含め10作近くリリースされたD&Dシリーズの中でももっとも高い評価を受けた「Planescape: Torment」に近い。加えて、キャラの移動速度やマップ切り替え時のロード時間などは全般的にクイックになっていて非常に快適だ。
そしてもっとも重要な世界設定は、ファンタジーがリアルなものとして捉えられている中世ヨーロッパ世界。プレーヤーは十字軍遠征に生涯を捧げた獅子心王リチャード一世の遺志を継ぐ人物として1588年のヨーロッパ世界を生き抜いていくことになる。
Demoでプレイできるのは序盤部分のみだが、クイックセーブ、ロードなども可能で、新規キャラクタも作成できるなど製品版と同じ感覚でプレイできる。プレーヤーは最初牢獄に囚われており、謎の精霊の助けをかりて脱獄することになる。プレーヤーの使命はまだ明かされず、当面は主人公を狙うアサシンたちの攻撃をかわしつつ、重要人物に出会う旅を続けていくことになる。
主人公が死ぬと即ゲームオーバー、宝箱にはトラップ、スニークもせずにノコノコ進んでいくと敵に囲まれて瞬殺されるなど、まさしく「Planescape: Torment」を彷彿とさせるハイレベル仕様となっており、暗がりを進んでいくドキドキ感がたまらない。強いて欠点を指摘しておくと、相変わらず長文の英文を読まされることぐらいだろうか。ぜひとも日本語版でプレイしてみたいところだ。
2002-2003 Interplay Entertainment Corp. All rights reserved.
ダウンロードはこちら(Bonus Web)