発売元 CDV Software Entertainment
ドイツ大手パブリッシャーCDV Softwareの新作RTS「No Man's Land」のPlayable Demo。同社は「Cossacks」、「American Conquest」、「Sudden Strike」など、いわゆる重厚長大系ドイツ系RTSの旗頭として世界的に知られているが、「No Man's Land」はそれらとは明らかに毛色の異なる、RTS界のメインストリームを狙って開発されたCDVの意欲作だ。
「No Man's Land」は、アメリカ開拓史を原寸大で描いたリアルタイムストラテジー。モチーフとしては「American Conquest」とほぼピッタリ重なるが、こちらが「Cossacks」シリーズで確立した大軍同士の決戦を醍醐味としているのに対して、「No Man's Land」は、Microsoftの「Age of Empires」シリーズや、Blizzard Entertainmentの「Warcraft」シリーズといったRTSのメインストリームラインを強く意識して開発されている。
基本的なゲームデザインは、「Age of Mythology」の北米開拓史版、あるいは「Age of Empires II」の近世版といった印象で、序盤の展開やテクノロジー研究のルールなどもこれらと非常によく似ている。ひょっとするとEnsemble Studiosは「No Man's Land」を見て、「先を越された!」と思ったかも知れない。
グラフィックはフル3Dを採用。ドイツ産らしく生半可なデフォルメなどはせず、抜群のディテールでアメリカ開拓時代を描いている。ユニットに対してもひとつひとつ正確な影が置かれ、戦闘中に天候の変化もある。さらにMicrosoftの「Rise of Nations」のようにズームインズームアウトまで備えている。戦闘時の演出もなかなか派手で、グラフィックに関しては、間違いなく現行最高峰だろう。
ただし、当然の弊害としてずいぶん重いゲームになってしまっている。XGA/32ビット程度の標準解像度でプレイする場合、CPUはPentium 4、ビデオカードはGe Force 3、メインメモリは256MBあたりが下限になりそうな感じだ。それ以下だと、仮に動作しても肝心の戦闘時の指揮に影響が出るだろう。
Demoでは、スペイン艦隊を擁してキャプテンドレイク率いるイギリス艦隊を撃破するシナリオと、米開拓史の英雄サミュエル・サンダースとなり、イギリス軍の正規兵から一定時間街を守りきるシナリオの2本が楽しめる。これはこれでボリュームたっぷりで何度でも楽しめるが、マルチプレイも試してみたいところだ。
陸戦に関してはDemoでプレイする限り、騎兵、歩兵(鉄砲兵)、砲兵の3すくみを主体としたシンプルな内容だが、抜群の演出で迫力ある戦闘が堪能できる。リソースは、金、木、食料の3種類のみで、ユニットAIもある程度自動化されているなど、総じてテクノロジーレベルは高い。ぜひとも日本語化を期待したい大作RTSだ。
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