発売元 Rockstar Games
Take Two Interactiveのバイオレス専門ブランドRockstar Gamesの最新作「湾岸Midnight Club II」のPlayable Demo。開発元は「Midtown Madness」シリーズ(IIIを除く)の開発で知られるAngel Studios。Rockstar Gamesのバイオレンスゲームのノウハウと、Angel Studiosの街造りのノウハウをうまく結合させたブランドパワー炸裂の強烈なタイトルだ。
「湾岸Midnight Club」は、世界の主要都市を舞台に、人の寝静まった真夜中に派手な暴走行為を繰り返すレースアクションゲーム。前作はPS2版のみだったが、今回はPS2、Xbox、PCの3プラットフォームで発売される。
ちなみに元気の「湾岸ミッドナイト」とはモチーフは似ているもののまったく別物の作品で、前作「湾岸Midnight Club」も2000年にリリースされていることから、パクりでもない。ただ、情報ゼロから「湾岸」という東洋の漢字が使われるはずはないので、原作漫画をたまたまスタッフが読んで、それにインスパイアされたのではないだろうか。
Demoでは、ロサンゼルスのダウンタウン周辺をそっくり再現したロサンゼルスステージを舞台に4つのゲームモードが体験できる。車種は車2台、単車1台の3種類。それぞれ車名を類推できるぐらいメジャーな乗り物ばかりだが、この手のゲームに自動車メーカーがライセンスを出すはずがないから、当然すべて仮の名前が当てられている。
以下、各ゲームモードを簡単に紹介しておく。Cruiseは自由気ままに真夜中のダウンタウンを走行できるモード。Circuitは、ダウンタウンをレース場に見立てて、中継地点を経ながら1位を目指していくモード。Battleは、ダウンタウン全域を舞台にCTF戦が楽しめるモード。バイクの方が小回りがききやすく、やや有利。最後のCareerは、すぐ高速に入り150kmぐらいの巡航速度で飛ばしに飛ばしまくって1位を競うレースモード。これが一番おもしろい。
同作のユニークなところは、ゲームデバイスやキーボードでの操作のみならず、マウス操作にも対応しているところだ。左クリックがアクセル、右クリックがブレーキ(バック)になっていて、マウス操作によりアナログっぽい操作が可能になる。マウス操作に対応したレースゲームはあまりないので最初はずいぶんとまどうが、慣れてくると新鮮な楽しさがある。これはなかなかいい。
グラフィックは「Grand Theft Auto(GTA) III」レベルで、お世辞にも綺麗とは言い難いが、街全体のシミュレーションエンジンは、「GTA III」に並ぶ傑作「Mafia」よりもさらに洗練されている印象。Cruiseモードで、交差点あたりに止まって眺めているだけでもその良さがわかるし、ずいぶん先を走っている敵車が起こした玉突き事故がそのまま残されていたりする。
最後にバイオレンス部分について触れておくと、通行人ひき逃げ、道交法無視、公共物破壊、ガソリンスタンド爆破といった内容。その気になれば現実世界において懲役200年オーバーの犯罪はすぐに犯せてしまうが、その部分にエンターテインメント性はない。
同作の醍醐味は、徐行なしで高速に入り、一気に最高速まで上げて車をごぼう抜きしたり、ダウンタウンを我が物顔で集団暴走することにある。リアルな街を題材にしている点、ある意味「GTA III」以上に危ない作品といえるが、誰でもいっぱしの飛ばし屋になれる上質のエンターテインメントであることは間違いない。
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