発売元 Strategy First
フランスのデベロッパーMonte Cristoが開発したリアルタイムストラテジー「Fire Department」のPlayable Demo。タイトルどおりファイアファイター(消防士)の活躍をRTS仕立てで描いた作品で、フル3Dで描かれたビジュアル、演出とも抜群の内容で、思わず仕事を忘れて熱中してプレイしてしまった。文句なしに今月イチオシのDemoだ。
「Fire Department」は、チームで構成されたファイアファイターたちを率いて、火災現場に飛び込み、火災を消化して回りつつ、負傷者を救助し、さらに火の根を絶つというシングルプレイスタイルのリアルタイムストラテジーだ。
消防隊モノというと、Activision Valueの「F.D.N.Y Firefighter: American Hero」をはじめ、過去にいくつかあるが、「Fire Department」はまさにそれらの集大成的決定版といえそうな充実した内容で、プレーヤーの任務を消火活動および負傷者救助に割り切り、常にチームをもっとも効率的に動かすことが求められる。
Demoでは、「3 Million Dollars」ミッションの3ステージ目までがプレイできる。シチュエーションは、300万ドルと人質を奪って逃走した犯罪者Brad Johnstonが盗んだ車をガソリンスタンドに突っ込ませたことで発生した大火災を消し止めるというもの。ゲームは、消防車、放水車、救急車の3台の乗り物で現場に到着したところからスタートする。
現場であるガソリンスタンドは、まだ大火災には至っていないが、すぐ側にあるLPGタンカーはガソリンがもれて炎に包まれ、スタンドも突っ込んだ車により入り口付近で火災が発生している。まずはそばのタンカーの火災を消し止めることになるが、急がないと、負傷者を救助している間に、スタンドに火が移り、大爆発に至る。
同作のおもしろいのは、フィールド内の至る所に「火のタネ」が設定されており、これによって、たとえば隊員が火に包まれて死亡するといった予想外の大惨事が巻き起こる危険性を包含しているところだ。Demoステージを例にすると、第一の目標であるLPGタンカーは、搭載燃料である液化石油ガスそのものには引火していないが、洩れたガソリンによる火災で徐々にタンクの耐久力がなくなってくる。これがゼロになると、引火して大爆発、スタンドにも飛び火し、逃げ出したくなるような大災害に発生するといった具合だ。
スタンドの火災も同様で、耐久力を残した状態で火を消し止めることで大災害を防ぐことができる。また、ガスによる出火に関しては直接消すことはできず、元栓を閉める必要がある。とりあえず緑のバーを見つけたら、ゼロになる前に周囲の火を消すことを考えて消火活動にあたるといいだろう。
そのほか、車を細かく移動させて、隊員たちの移動時間を短くしたり、放水車で隊員の足場を作ったりなど、なかなか奥が深くておもしろい。クォータービュー視点なので、「バックドラフト」的迫力には欠けるが、予期せぬ大爆発が起こってチーム全員が炎に包まれるなど、プレーヤーが体験できる内容はそれに近い。製品版ではさらに興奮度の高いミッションが用意されていそうな雰囲気。よく練られたいい作品だ。
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