発売元 ネットドラゴンジャパン
釧路を拠点にするゲームパブリッシャー、ネットドラゴンジャパンが現在正式サービスに向けて準備を進めているMMORPG「幻想遊記」のクローズドβクライアント。すでに、釧路ケーブルテレビインターネットの加入者を対象にしたαテストは終了しており、6月23日から先着6,000名によるクローズドβテストに移行している。まだまだ荒削りな作品だが、MMOファンは一度試してみてはいかがだろうか。
「幻創遊記」は、中国のNetDragon Websoftが開発したファンタジーMMORPG。日本子会社であるネットドラゴンジャパンによれば、同作は中国産MMORPGの第一号であり、現在もっとも人気を集めているMMORPGのひとつだという。開発着手は'99年とかなり古参の部類に入るタイトルだ。
ただ、それだけにゲームデザインは古く、日本レベルで見ると、Visual Basicで作ったフリーソフトの域を出ていない。インターフェイスは、使用頻度の極端に低いコマンドで過半数が占められたプルダウンメニュー方式で、肝心の2Dビジュアルには圧縮ノイズが目立つ。コマンドメニューも統一性に欠け、クリックした際のリアクションもわかりずらく、ユーザーフレンドリーさに欠ける。
現状レベルでは、'98年に登場し、国産MMORPGにおける先駆的役割を果たした日本システムサプライの「ライフストーム」よりもさらにプリミティブな内容だ。おそらくMMO初心者層をターゲットにするつもりなのだろうが、これを2003年の日本でサービス展開するのは相当の困難が予想されそうだ。
ゲームは、人間と怪物が共存するという仮想の中国世界が舞台になっており、ペットシステムが大きな魅力になっている。同作におけるペットは、プレーヤーと一緒に成長し、スキルや装備品なども身につけられる頼れる相棒で、戦闘中に「捕獲」することで、どんどん新しいペットを仲間にすることができる。実質的には常にPTプレイ状態となるため、ソロでもざくざくレベル(等級)を上げられる。
バトルシステムは、コマンド入力式によるターンベースになっている。敵との遭遇は、目に見える形でも、エンカウント方式でもなく、「戦」ボタンを押すことで任意でスタートできるというもので、極端な話、街から出たところで、一歩も歩かず、延々とレベル上げをすることができる。レベルの上がり方も2、3回戦闘をこなせば1つ上がるというハイスピードさで、中国人が好むMMORPGのスタイルというものがわかっておもしろい。
現在、クライアントは誰でも入手でき、バグレポート報告も公式サイトから誰でも参照できるあたり、ユーザー限定のオープンテストといったほうが良さそうだが、テストプレイ中にそれほど人が多い印象は受けなかった。βテストは8月24日まで実施される。MMOファンは気軽に試してみるといいだろう。
ダウンロードはこちら(ネットドラゴンジャパン)