発売元 Wanadoo Edition
フランスのデベロッパーCarapaceが手がけたリアル系のテニスシミュレータ「Next Generation Tennis 2003」のPlayable Demo。すでに発売されているコンソール版(Xbox、PS2)からの移植で、オフラインでの2人プレイも可能。インターフェイスは、キーボードとゲームパッドに対応している。
「Next Generation Tennis 2003」は、リアル系の極致とでもいえそうなテニスシミュレータで、任天堂「マリオテニス」系のゲーム性重視のテニスゲームを普通だと考えている多くの日本人には驚愕させられる内容に仕上がっている。海外のテニスゲームはおしなべてリアル系シミュレータタイプが多く、私も網羅的にプレイしているわけではないが、少なくともMicroidsの「Tennis Masters Series」やセガの「Virtua Tennis」などと比べても、そのリアルな度合いが一段高い。
平たく言うと、200kmのボールが200kmで飛んでくるテニスゲームになっている。最初はあまりのスピードの速さに、PCがバックグランドで何か処理を始めてラグが発生したのかと思ったが、次のサーブも同様の高速ボールが飛んできたので驚いた。「何フレームで飛んできてんの、これ」といった具合で、リプレイを見るとボールが脇を通過してからスイングのモーションを始めており、実に情けない。
これは私の反応速度が遅いためでもあるが、実際問題、180kmオーバーレベルのサーブは、ボールが飛んでくるまでの時間と、スイングモーションにかかる時間が同程度ぐらいであって、すなわちこのゲームは、トスされたボールが重力に従って手元に落ちてきたぐらいのタイミングで振りはじめないと間に合わない。実際のプロテニスがそんな感じなのかどうかはわからないが、プロテニスの世界がなんとなくわかったような気になる。とにかく、とんでもないゲームだ。
というわけで、相手サーブのセットはまともなゲームにならない。「よし、タイミングバッチリだ!」と思っても、選手のボディに「ぼこっ」とボールが当たったり、コートの内側を思いっきり抜かれたりして、ボールを返せるのは5回に1回程度。立て続けのサービスエースで一気に持っていかれることも多い。
仮にこれが日本のゲームなら「エンターテインメントとして成立していない」とやかましく書くところだが、リアル志向が発達していくとこうならざるをえないのだろう。もはや日本のテニスゲームとは次元が違うとしかいいようがない。サービス以外にも、選手のクイックなモーションや打ち返せる範囲の狭さ、スピードの速いボールの応酬といった部分にリアルさが感じられ、作品としてのクオリティは高い。テニスファンは試してみるといいだろう。
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