開発/発売元 E-Pie Entertainment
中国北京のデベロッパーE-Pie Entertainmentが開発したシューティングアクション「Shanghai Dragon」のPlayable Demo。最近北米で人気が再燃しているベトナム戦争系のゲームと同様にアクションシューティングかと思っていたら、「バーチャコップ」系の自動スクロール式のガンシューティングだった。いろいろ問題点の多い作品だが、ガンシューティングファンは試してみるのもいいだろう。
「Shanghai Dragon」は、旧日本陸軍支配下の'37年の上海を舞台にしたガンシューティングゲーム。プレーヤーは、中国共産党の特殊部隊の一員として、上海地域の日本支配からの解放を目指して、単身で司令部に強襲したりといった困難なミッションに挑戦していくことになる。もともと題材がレアだけに、これだけを読むとなかなかおもしろそうなゲームに思えてしまうが、実体は「House of the Dead」の旧日本軍版とでもいうしかなさそうな惨憺たる内容になっている。
ガンシューティングとして成立させるために、敵が散開してわらわら突撃してくるのはいい。が、歩兵による銃剣突撃だけでなく、侍や浪人などが建物の3階や屋上から抜刀して斬りかかってくるのにはもはや唖然とするしかない。また、歩兵や侍が次々に市民たちに襲いかかるのにもびっくり。ヒストリカルではなくファンタジーゲームだ。
ちなみに市民が倒される前に敵を片づけると、市民が感謝の言葉と共にアイテムをくれる。こうした部分も「House of the Dead」と同じだ。なお、隊長クラスの敵兵に関しては、軍刀を振りかざして「とつげきー」と叫ぶだけで、格好のボーナスキャラに成り下がっている。この場合、「とつげきー」のアクションだけが存在理由なのだろう。
Demoでは序盤の2ステージがプレイできる。1-1から始めればシームレスに1-2に繋がっていく仕組みで、難易度はノーマルとハードの2種類から選ぶことができる。1-2のラストは司令部前での戦いとなる。予想どおり、歩兵だけでなく侍や浪人も元気に出撃してくるが、あり得ないことに司令部前に可燃物であるドラム缶が置かれており、これを撃つことで容易に複数の敵を撃破することができる。ゲームデザイン、ゲームエンジンの設計、レベルデザインなどさまざまな点で、このデベロッパーにはとりあえず3年修行してもらいたい。
余談だが、低次元のデマゴーグが目的なら侍や浪人はいらないはずで、思うに「欧米人が好きだから」というのが理由のような気がする。公式サイトも英語版がメインになっており、欧米をターゲットにした新興アジア系デベロッパーの悲しみが見え隠れする作品だ。
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