発売元 Valu Soft
「大破競技」と名付けられた異色のレースアクション「Smash Up Derby」(北米ではDemolition Champions)Playable Demo。THQのValue専門のブランドValu Softが扱うタイトルだけにあまり期待せずにプレイしてみたが、ゲーム性重視で爽快感たっぷりのつくりが好印象。少なくとも19.99ドルの価値は充分にあるコストパフォーマンスに優れた作品だ。
「Smash Up Derby」は、レースゲームの体裁をかりた対戦格闘ゲームで、その内容を一言で説明すると、ライバルカーに次々と体当たりして大破させていくゲームだ。対象とのスピード差や突入する角度などによって得られるポイントが増減し、バトル終了時に一番ポイントの高い車が勝利となる。
Demoでは、Night ArenaとLacroix Longの2ステージがプレイできる。Night Arenaは逃げ場のない夜のアリーナを舞台に激しいバトルを繰り広げるモード、Lacroix Longは、ゆるやかなカーブと起伏地帯が連続するダートコースを舞台に派手な格闘レースを繰り広げる。いずれも甲乙付けがたいおもしろさだ。
Night Arenaは、とにかくライバルカーに高速で突っ込んでポイントを稼ぎつつ、大破を狙っていく展開で、序盤の混戦でいかに漁夫の利を狙えるかがポイント。徐々に走行可能な車が減ってくると、コンバットシムのような格闘戦的展開になり、いかに効率よく旋回して正確な一撃を加えられるかが重要になる。
なにぶんValueタイトルなのでグラフィックはたいしたことはないが、物理エンジンによるボディの形状変化には比較的こだわっており、外部からの衝撃によって外部パーツは軒並み吹き飛ぶし、ドアが半開きになったり、トランクがガタガタになったり、やばくなってくるとボンネットからは煙も噴き上げられ、前方視界が悪化するばかりか加速性能にも響いたりしてくる。AIの動きもなかなか鋭く、シングルプレイでも十分に楽しい。マルチプレイならさらに楽しめそうだ。
一方、Lacroix Longは、一応レースゲーム仕立てになっているが、ライバルカーに追突するとポイントが得られるという基本システムは同じで、最終結果も順位ポイント+衝突ポイントによって決まる。要するに3周回る間に全ライバルカーを廃車にしてしまえば1位になれるという前代未聞のレース内容になっている。
序盤は互いにスピードはゆるめで、様子をうかがう展開になるが、そんなことはおかまいなしに後ろから高速で突き上げまくるのがおもしろい。ダートコースは起伏も多く設定されており、当たり所や衝突された際のスピードによっては車がくるりと横転してしまうこともある。停車した車を1周して高速で突っ込むと高得点が稼げ、一瞬何のゲームだかわからなくなってくるところがいい。久々にプレイしながら爆笑してしまったゲームだ。
(C) 2001-2002 ValuSoft, a division of THQ Inc., Headquarters: 711 S. Pine Street, Waconia, MN 55387
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