発売元 Gathering of Developers
チェコのデベロッパーPTERODONが開発したアクションシューティング「Vietcong」のPlayable Demo。製品版は今年4月に欧米で発売済みで、マスター版をベースにしたクオリティの高いゲームプレイが堪能できる。シングル専用としてはやや短いのが玉に瑕か。
「Vietcong」は、そのタイトルが示すように、ベトナム戦争をモチーフにしたアクションシューティング。プレーヤーは、南ベトナム政府を支持する米軍の一小隊を率い、ソ連製の銃器で武装したベトナム解放民族戦線を相手に死闘を繰り広げていくことになる。
Demoではキャンペーンの最初のステージの途中までをプレイできる。プロローグシーンで、いきなりプレーヤー率いる小隊の搭乗する輸送ヘリが撃墜され、前線近くのジャングル奥地に取り残されてしまう。いかにベトコンゲリラの包囲網を突破して、前線司令部との合流を果たすかがプレーヤーに与えられた使命というわけである。
同作で特筆すべきなのは、戦争映画の傑作である「プラトゥーン」ばりに現地の臨場感の再現に力が入れられているところで、通信兵を介して無線連絡をしたり、現地雇いの斥候兵に先導させたりなど、NPCの役割を際だたせると同時に、小隊戦闘におけるこうしたプロセスを非常に大事にしている。
斥候兵の役割を無視してずんずん進むことも可能だが、竹槍の落とし穴に嵌って死ぬのがオチで、斥候兵の後ろでびくびく進む小隊長の心理状態が見事に再現されている。無線連絡中に遭遇戦に突入したり、戦闘中に弾薬切れになって慌ててMachingunnerを捜したりなど、予想外の出来事も頻繁に発生し、新鮮なおもしろさがある。銃器や物音などのサウンドエフェクトも優れている。同作の登場で、リアル系FPSの概念がまたひとつ進化した印象だ。
ただ、先述したように、ジャングルでの戦闘の感覚がようやく体得できたあたりでDemoは終了となってしまう。欧米ではこのままショップに駆け込むユーザーも多そうで、これ単体としては少し物足りないが、Demoとしての役割はよく果たしているというべきだろう。リアル系FPSファンはぜひ試してみるといいだろう。
(C)2002 Gathering of Developers
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