発売元 Activision
2001年度を代表するアクションシューティング「Return to Castle Wolfenstein」のオフィシャルアドオン「Return to Castle Wolfenstein: Enemy Territory」のMap Test。同作は昨年のE3での初公開から仕様が2転、3転したが、結局最終的にマルチプレイ専用のフリーアドオンとして公開されるようだ。今回は正式版ではなく、マップ1枚を使ったMap Testということで、通常のPlayable Demo同様に単体起動が可能。今月イチオシのアクションシューティングだ。
「Return to Castle Wolfenstein」は、第二次世界大戦のドイツを舞台に、ナチスドイツの人体実験によって生み出された人造人間兵器を相手に孤軍奮闘を続けていく、という世にも珍しい猟奇系のアクションシューティング。グラフィックエンジンは「Quake III」エンジンを採用しており、当然マルチプレイモードも実装されていたが、猟奇系の要素を取り払ったオーソドックスな内容で、いまひとつ魅力に乏しかった。これを大幅に強化させる目的で開発されたのが「Enemy Territory」である。
「Enemy Territory」の最大の特徴は、新しいゲームタイプ「Campaign」モードの実装により、マルチプレイに継続性を持たせているところ。マップは1つだが、セッションとしては3つに分割されており、それぞれバトルフィールドが異なっている。今回のMap Testは、このバランス調整を行なう目的で公開されたもので、ゲームタイプは「Campaign」固定となっている。
Map Testに収録されているマップ「Fuel Damp」は、中央ヨーロッパに設置されたナチスドイツの巨大要塞を粉砕するという内容で、連合軍は戦車を軸に要塞の突破を目指し、ドイツ側は連合軍の架橋を阻止し、要塞への侵入を防いでいくことになる。兵科は、Soldier、Medic、Engineer、Field Ops、Covert Opsの5つ。それぞれ役割が明確に異なる。
ゲーム画面はパッと見た限りにおいては、本編のマルチプレイ同様、「Medal of Honor」のようなオーソドックスなゲームデザインのような印象を受けるが、マルチプレイ専用のアドオンだけあって、キャンペーンを通じて常に激戦が味わえるようなゲームデザインになっている。全ホストとも満員で欠員が発生せず、なかなかゲームに参加できなかったのだが、実際にプレイしてみて、欠員の出ない理由がわかった。
「Enemy Territory」の楽しさを決定づけているのは、両軍に細かく設定されたオブジェクトと、経験値システムにある。たとえば連合軍の最初のオブジェクトは、戦車が渡れるようにエンジニアを派遣して架橋を行なうことで、一方ドイツ軍はそれを阻止することがオブジェクトになっている。このため、開始直後から組織的な激戦が繰り広げられ、これが最後までずっと続く。
また、敵を倒すと経験値がたまり、これがある一定の数値に達すると、キャラクタの能力が上がる仕組み。キャンペーンのステージを経るごとに全員経験値も高まっていき、やめるにやめられなくなってくる。実に吸引力のあるゲームデザインだ。連合軍、ドイツ軍の両方でプレイしてみたが、どちらも異なるゲームプレイが楽しめ、繰り返しプレイしたい気にさせられた。アクションファンはぜひプレイしてみよう。
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