発売元 KOCH Media
英The Bitmap Brothersが開発した第二次世界大戦をモチーフにしたリアルタイムストラテジー「World War II: Frontline Command」のPlayable Demo。シングルプレイ1ステージ限定の内容だが、ステージの作り込みが見事で、WW II RTSの不朽の名作「Close Combat」シリーズを彷彿とさせるものがある。WW II好き、RTSファンはぜひトライだ。
「World War II: Frontline Command」は、第二次世界大戦における米独戦を題材にしたリアルタイムストラテジー。'44年のノルマンディー上陸作戦以降の両軍の激突を描いている。グラフィックはフル3Dを採用しており、見た目上はアイドスが2月に発売した「パンツァークロウ 鋼鉄の英雄たち」(原題「Frontline Attack: War Over Europe」)に近いものがあるが、ゲーム性はずいぶん異なる。
「パンツァークロウ」は、マップ描写に戦場的リアリティはなく、戦車複数台が平行移動できるような広い原野を舞台に、大戦車戦や空爆との連動による電撃戦などを堪能できるダイナミックなゲームデザインになっているのに対し、「World War II: Frontline Command」は、迫撃砲兵のわずかな火力を頼りに、地道に戦線の拡大を図っていくといったような戦場的リアリティを追求した内容になっており、街道沿いに軒を連ねる空き屋に籠もっての迎撃戦がおもしろい。
こうした要素はすべて「Close Combat」シリーズで実現されていたことで、新鮮味という意味では若干弱いが、「World War II: Frontline Command」は、これをフル3D、フルインタラクティブ環境で実現しているところに凄みがある。大規模な戦車部隊を率いるときは視点をグッと引いて指揮し、歩兵同士の局地戦では逆に寄って指揮する。ズームインするとオブジェクトのテクスチャが細かくなり、戦場のリアリティもグッと上がる。実に的を射たつくりだ。
Demoでは、オランダ北部の村からドイツ軍を駆逐し、奥にある工場を無傷で奪取するというもの。スタート直後は、司令官を含む大隊規模の歩兵部隊で、街の掃討処理を行ない、中盤以降はシャーマン戦車を主軸とした戦車大隊が到着し、ドイツ軍の戦車部隊と街路で戦車戦を繰り広げることになる。全体として難易度はそれほど高くないが、製品版を楽しみにさせるできばえ。マルチプレイの内容によっては大きく化けそうなRTSだ。
(C) The Bitmap Brothers 2003. Licensed to KOCH Media Ltd.
ダウンロードはこちら(3D Gamers)