発売元 Microsoft
たっぷり4、5年かけて開発されたDigital Anvilのスペースアドベンチャー最新作「Freelancer」のPlayable Demo。Digital Anvilは、Microsoft Game StudiosのM&A戦略の先駆けとして傘下入りしたメーカーで、創業者は「Wing Commander」シリーズのクリエーターとして知られるChris & Erin Roberts兄弟だ。
「Wing Commander」シリーズといえば、Microsoftの「Flight Simulator」シリーズと並び称される、米PCゲーム界の創成期を支えた人気ブランドのひとつで、北米における今作の期待度の高さは言わずもがなといったところがある。正直なところ“待たせすぎ”の感もなくはないが、本家本元の意地のようなものを強烈に感じさせてくれる名作に仕上がっていて一安心。北米では3月発売予定だ。
さて、「Freelancer」の基本的なゲーム内容は、フリーランスのスターシップパイロットとして、バーで仕事を受け、成功報酬で自らのスターシップを強化し、さらに困難な仕事に携わっていくといった展開になる。同作は、前作「Starlancer」の世界観を引き継いでいるものの、プレイスタイルはまるっきり「Wing Commander」寄りになっている。このあたり、あまりに1本道過ぎた前作の反省から来ているのかもしれず、あるいは元古巣EAのSFMMORPG「Earth & Beyond」を意識してのことかもしれない。
さて、仕事の内容は、輸送船の護衛から、宇宙海賊の撃破、物資の輸送までさまざま。仕事はそれまでのプレーヤーの仕事内容を参考に自動生成され、イベントもそれに付随して自動発生される。基本的には自分の好きな仕事を受け、自分好みにチューニングしたスターシップで仕事をこなしていくことになるが、発生するイベントには継続性があり、プレーヤーの行動により、プレーヤーを中心とした世界の様子がぐんぐん変わっていく。元仲間が敵にまわり、海賊につけねらわれることもありえるわけである。
Demoでは、そうしたゲーム世界の一端を覗くことができる。受けられる仕事はシューティングミッションのみというのが残念だが、複数のミッションが用意され、星をまたぎ、宇宙空間の広さを実感しつつ、360度空間バトルをたっぷり堪能することができる。イベントシーンはリアルタイムレンダリングによる映像と音声で展開される。字幕表示を可能にしてほしかったところだ。
インターフェイスは、Microsoft製品ながら特にForceFeedback Proは意識していないようで、むしろマウスに特化したつくりになっている。「Starlancer」ではForceFeedback Proをバリバリに意識したつくりだったため、今回も迷わずForceFeedback Proを繋いでプレイしたところ、拍子抜けするほどマウスで快適に操作できた。確かに今回、アドベンチャーパートなど、マウスを使用するケースが多く、インターフェイスの統一化は好感が持てる。
なお、実際に戦闘シーンを経験してみて一番驚いたのはグラフィックのクオリティとパフォーマンスのバランスの良さだ。PCゲームは通常どっちか片方だけが高いものだが、同作はこの点非常にバランスがいい。これはDirectX 9フル対応のゲームということも理由のひとつとして挙げられるかもしれない。ちなみに同作はDirectX 9がないと動作しない。未実装の人は、ランタイムをしっかりインストールしてから、ゲームのセットアップを試みるといいだろう。
余談ながら、オブジェクトのモデリングは、デザイン的な洗練さには欠けるものの、ハイディテールで描かれており、存在感たっぷり。また、宇宙空間には無数の細かいチリや機体の破片などが散らばっており、そうした細かいひとつひとつにリアリティを感じさせてくれる。「もう少しといわず、もっとたっぷり遊んでみたい」と思わせる良作だ。
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