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 GM(GAME MUSIC)フリークによるGMフリークのためのGMコーナー!「Viva! GM」。新譜情報はもとより、なつかしのGMまで、幅広くゲーム音楽に関して取り扱うコーナーです。GM大好きお姉さん2人がガイドを努めるこのコーナー、残念ながら、今回でお休みとさせていただきます。今までありがとうございました。

今が旬! のオススメ作をタイムリーにピックアップするコーナーです♪
発売元:株式会社デジキューブ
製品情報

価格:2,913円(税別)
発売日:1月22日
品番:SSCX 10078,9

 アンリミテッド:サガ オリジナルサウンドトラック

 「アンリミテッド:サガ」。昨年の「東京ゲームショウ2002」でも、スクウェアブースに設置された音響体験コーナーには、プレイを待つ長い列ができていたのが記憶に新しいところです。

 オリジナルサウンドトラックのほうも、ドルビーサラウンドプロロジック IIによるエンコードがなされ、ステレオ再生よりも臨場感のある5chサラウンドに対応していて、立体的で迫力のある音響で楽しむことができます。収録曲は全58曲、2枚組み仕様で、分厚いライナーノーツも、制作秘話が語られていて面白いです。

 広大な「サガ」ワールドにまず引き込まれるのが、ゲームを立ち上げると目に飛び込んでくる冒頭のデモ映像です。近年のスクウェアタイトルは、毎度ショー会場などでデモ映像に釘付けにされますが、「サガ」ワールドでは、平面のイラストが持つ独自の暖かみ、存在感をそのままに、キャラクタがリアルに動き出します。これに、「アンリミテッド:サガ序曲」が流れ、まさに絵と音楽がより合わさって画面からあふれ出すといった感じです。

 イラストも瑞々しい7人のキャラクタには、それぞれのテーマとなる音楽があって、美しいビジュアルと相まって、イメージを豊かにしてくれます。流れるような弦楽器のメロディが綺麗な未亡人ローラのテーマは、夫を亡くした彼女の運命を表しているように聞こえるし、駆け出しの運び屋「ヴェント」のテーマは、スローテンポのギターで奏でられ、運び屋の集まるギルドのちょっとうらぶれた雰囲気にもぴったり。

 バトルのテーマ曲は豊富に用意されていて、またそれぞれが独特の雰囲気を持っています。これは、ライナーノーツをご一読されることをお薦めします。戦闘の曲では、ゲーム冒頭から何度も聞く「バトルI」のメロディの素朴な音色も印象深いですが、ローラでゲームを始めたときにイベントで最初に突入する戦闘の「バトルのテーマVI」が、カスタネットみたいな打楽器が激しく鳴ってカルメン調の曲かと思いきや、それとは違う独特の勇ましい曲だったりする部分が、激しく気に入っています。

 ゲーム内で流れる楽曲はすべてストリーミングで、情景にあわせた楽曲がたくさん聞けます。中には「March in C」や「フィナーレ」など、フルオーケストラの楽曲が3曲あって、本サウンドトラックではそれらを中心に、2chステレオ音声で聞くことを目的として再度制作しなおされたボーナストラックも用意されていて、本編とは違う2chで楽しむことができます。

 「アンリミテッド:サガ」のサウンドコンポーズを担当しているのは、「サガフロンティア2」、「FFX」を担当された浜渦正志氏。分厚く読み応えのあるライナーノーツの前半で、浜渦氏と、シンセサイザープログラマー担当山崎氏のお2人が語り合う形式で、サガの音楽について綴られています。それによると、お2人が「サガフロ2」から共に制作された楽曲は、200曲以上にも上るのだとか。気心知れたやりとりの中で交わされる内容は楽曲の解説にとどまらず、制作の内幕や、音楽制作のやり方、シンセサイザーの扱い方についてなど、突っ込んだ部分にも触れられています。読んで納得した上で改めて聞くと、またイメージが違って聞こえてきますよ。

[Text : 河本 真寿美]


 

●ここでは、今月発売予定の新譜データを扱います。
新着情報が入り次第、随時更新していきます。

発売元:アンダーグラウンドリベレーションフォース/Sten Sten OchFlod
タイトル 発売日/データ 解説

ギルティギアシリーズ ベストサウンドコレクション

1月21日
2,500円(税別)
STF-0011

「ギルティギアシリーズ」のベスト盤。「ギルティギア」から「ギルティギア ゼクス プラス」までの18曲に加え、新録のリミックスバージョン5曲を収録。ジャケットは、石渡大輔氏による描き下ろし。

発売元:株式会社SME・ビジュアルワークス
販売元:株式会社ソニー・ミュージック ディストリビューション
タイトル 発売日/データ 解説

交響組曲「ドラゴンクエスト」コンプリートCD-BOX

1月22日
12,000円(税込)
SVWC7150~7

交響組曲「ドラゴンクエスト」CD7枚組BOX。
 すぎやまこういち氏作曲・指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏による全143曲を収録。

発売元:株式会社カプコン
販売元:株式会社ソニー・ミュージック ディストリビューション
タイトル 発売日/データ 解説

クロックタワー3 オリジナル・サウンドトラック

1月22日
3,360(税込)
CPCA-1071

深作欣二監督が手掛けたことでも話題を呼んだ、PS2版「クロックタワー3」のサウンドトラック。久保こーじ氏作曲による、恐怖を駆り立てる音楽60曲以上の中から48曲を厳選収録。

発売元:株式会社コナミミュージックエンタテインメント
タイトル 発売日/データ 解説

実況パワフルプロ野球 パワプロ音楽館

1月8日
3,500円(税込)
KOLA-010~011

「パワプロ」シリーズ初のサントラ盤。PS2の最新作「パワプロ9」のBGMをメインに、SFC版の初代'94から2、3、そしてN64版4、5までを、全てオリジナル音源からCD2枚組で収録。

THE Q-Mex Collection~pop'n music & KEYBOARD MANIA~『AROUND THE WORLD』

1月22日
2,548円(税込)
KOLA-009

「pop'n music」や「KEYBOARDMANIA」に多数楽曲を提供しているアーティスト「Q-mex」のコレクションサウンドトラック。参加楽曲のロングサイズアレンジバージョンや、新作未発表の書下ろし楽曲を加えた全16曲を収録。

幻想水滸伝ボーカルコレクション
~彼方の星 Echoes Of Love~

1月22日
3,059円(税込)
KOLA-018

幻想水滸伝音楽集ボーカルコレクションの第二弾。「見果てぬ夢」、「Currents」など、前作アルバムになかった幻想水滸伝外伝からの楽曲も収録。

 

発売元:株式会社デジキューブ
タイトル 発売日/データ 解説

アンリミテッド:サガ オリジナル・サウンドトラック

1月22日
2,913円(税別)
SSCX-10078,9

「サガ」シリーズ最新作のオリジナル・サウンドトラック。「サガフロンティアII」、「FFX」などを手がけた浜渦正志氏がサウンドコンポーズを担当。オープニング、エンディング楽曲はフルオーケストラで演奏。 ブックレットはキャラクタのギャラリー集を盛り込み全28ページ。

発売元:サイトロン・デジタルコンテンツ株式会社
販売元:株式会社ソニー・ミュージック ディストリビューション
タイトル 発売日/データ 解説

Erde~ネズの樹の下で~サウンドコレクション

1月22日
2,800円(税別)
SCDC-00235

オリジナルBGMの全曲を収録。オープニング・エンディングはフルコーラスにて収録。


~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。

■ マジシャンの再来……「THE HOUSE OF THE DEAD 2」

とても残念なことに、サントラは発売されていないので、BGMを聞くならコンシューマーソフトを探すといいかもしれません。初代「HOD」ならサターン版、「HOD2」はドリームキャスト版とWindows版が発売されていて、間もなく発売されるXbox版「HOD3」にも収録されるみたいです。

 「ガンシューティングゲーム」と言って、思いつくゲームや場面は、人それぞれに違うと思います。敵に丸いサイトが現れて、きゅーっとピントが合うと撃ってくるゲーム、フットペダルを踏むとシャキッと身を隠すゲーム、マシンガンをぶっ放すゲームや、クレー射撃などなど……。扱われる題材で並べても、スパイもの、刑事もの、戦争ものなどいろいろですが、そんな中で久しく絶えて無かったゾンビものを記憶に蘇らせてくれ、新しい世代にはゾンビガンシューの代名詞となったのが、’97年の「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド(以下HOD)」です。

 初代「HOD」の道中の音楽は、残念ながら1面以外は記憶に残っていないのですが、「マジシャン」というラスボスのBGMは、とても鮮烈に耳に残っています。シリーズ2作目「HOD2」では、ステージのボリュームが増えて、建物の中だけでなく、街や水路、橋、ビルなど、舞台がぐんと広がりました。始めのほうの道中BGMは、題材がホラーなだけに、不安感を煽るようなメロディが多く使われています。そして、ガンシューだから銃声に負けないようにとの考慮もあったのか、リズム帯が激しく主張していてリズミカル。いろいろな音が不安感を増長させるように絡み合い、不気味なんだけど不気味さが心地よい、というBGMです。

 「HOD2」では、最終ステージの手前に、初代ラスボスの「マジシャン」が登場しますが、この場面だけガラリと印象が変わって異質なのは、マジシャンの登場シーンで、バーンと鳴るパイプオルガンのせいでしょう。そこからアップテンポな戦闘のBGMになだれ込むところが、初代でもいちばん気に入っていた場面です。

 「HOD2」のマジシャンとの対決シーンBGMは、初代のBGMがアレンジされて音色が豊かになり、ファンとしては嬉しい限り。メロディが半音いっぱいで進むパート(オープニングのアレンジ部分)と、半音なしで盛り上がっていくパートがあって、後のパートで、格好良さが絶頂を迎えます。

 最終ステージ、黒幕・ゴールドマンのビルでは、現れる未来的なクリーチャーに合わせて無機質な音が繰り返されます。ゴールドマンと相対し、しばし無音の空白が訪れたあと、ラスボス「エンペラー」の登場シーンでは再びパイプオルガンが流れますが……個人的には、不完全な体を背負った「マジシャン」の方に、どうも魅力を感じてしまいます。単純に、ビルの窓を突き破って降りてくる、登場シーンの格好良さもありますが、初代で初めて弱点の場所を知ったときの衝撃が忘れられません。他のボスは、弱点が頭部や口などの1点だったりするわけですが、マジシャンの弱点は、体のところどころ剥がれた装甲から覗く、筋肉組織のような部分です。当時は、そんな小さな的を狙って、動き回るマジシャンの攻撃を止めるということがとてもマニアックに感じ、またこれがガンシューの面白みを再認識したきっかけでした。あ、話がそれましたが、単にBGMで言うと、荘厳すぎて重い感じの「エンペラー」に比べると、べたべたに格好いいゲーム音楽している「マジシャン」派なのです。

 現在、ちまたのゲームセンターでは、シリーズ最新作、「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド3」が絶賛稼働中ですね。しっとりした洋館の雰囲気から一転して、砂漠にそびえる殺伐とした建物が舞台となり、時代背景も世紀末の様相です。それに合わせてBGMの雰囲気も、これまでとはうって変わって、不気味さより緊張感といったところに重点が置かれているように感じます。最初のステージなどは、特殊部隊ものといったイメージです……とは言え、まだじっくり耳を傾けてプレイできていません! そいつはこれからの楽しみってことです。

[Text : 河本 真寿美]


[1P]☆GMお姉さん[1P]☆
遠藤 美幸(えんどう みゆき)
8月20日生まれ 獅子座 AB型

最近の私……悪戦苦闘中?(代書屋)



[2P] ☆GMお姉さん[2P]☆
河本 真寿美(かわもと ますみ)
12月28日生まれ 山羊座 B型

好きなゲーム/下手の横好きシューティング。
近況/ お正月、京都に帰省した際、TVで漫才番組をぼんやり見ていて、こんなネタ見掛けました。

 「俺がゲーセンで、ゲームやるから。ほな、きみゾンビ役な」
 「わかったわ。(手を前に突き出してゾンビを真似て)ワァー、ワァー」
 「バンバン! バンバン!」
 「ワァー、ワァー」
 「バンバン! なっかなか倒れへんなぁ」
 「ワァー、ワァー」
 「画面から出てきてどないすんねん!」 

 なかなか倒れない……さてはこのネタ、初代「HOD」ではなくて「HOD2」をやって生まれたな。と、1人ほくそ笑みました(構え方がハンドガンだったので、ショットガンになった最新作でもないハズです)。


(2003年1月30日)

[Text by 遠藤 美幸 河本 真寿美 Produced by 佐伯 憲司]

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