「バイオハザード」、「鬼武者」とも一味違うカプコンのスタイリッシュアクション「デビル メイ クライ 」。 ジャンプによる立体的な要素と共に、弾数無制限の2丁拳銃や、強力な主人公、といった新要素で、ファンを魅了した作品の最新作がついに登場した。「翼」と新しい相棒を得たダンテの前に、どんな敵が立ちふさがるのだろうか? ■ 新しいアクション、新しい主人公
今作では特に2丁拳銃「エボニー&アイボリー」の使用感が爽快だ。壁を駆け上がり、さらにジャンプをした空中から打ち込む弾丸。一発の威力は低いのだが、その連射が気持ちいい。また両手を別々の敵に振り向け攻撃もできる。百戦錬磨のダンテらしくて、カッコイイ。 今回、ダンテ編と共に、デュマーリ島の護り手ルシアが活躍するルシア編を収録。ふたつのストーリーは表裏一体となっている。 ルシアは空中戦を得意としていて、近距離は両手に握った刀で、遠距離戦では短剣を投げる。力強いダンテの戦いとは違い、素早い移動と身軽なアクションで、舞うように戦う。空中の連続技や、つぎつぎと敵に向かって飛ぶ投げナイフは、新しい戦闘の感触をプレイヤーにもたらすだろう。 前作と同様レッドオーブでアイテムを入手するほか、各キャラクタの武器を強化できる。武器は最初に持っているもの以外にも多数登場し、それぞれにレベルが設定されている。前作のように、武器の強力さに左右されることなく、プレイヤーが好みで選択できるのはうれしい変更だ。 剣にレッドオーブを使わずひたすらショットガンを強化、といったユニークな成長も可能。また、前作同様プレイヤーデータを引き継げるので、強力になった武器を思う存分敵にたたきつけることもできる。 ■ 魔人の力を使いこなせ ダンテとルシアはともに“魔人”に変身することができる。変身は「D.T.ゲージ」を消費して行なう。このゲージは通常状態の時に敵を攻撃をすることなどで回復する。ダンテは赤いパワフルな姿に、ルシアは白く羽毛に包まれた優美な姿に変わる。魔人になっている間は強力な攻撃が可能なうえ、さらに体力が回復するので、ゲームを有利に進めることができる。 また、今回は新たに「デビルハーツ」というシステムを使用。これはふたりが持っているアミュレット(護符)に“移動系”、“属性系”、“補助系”の3つの属性のデビルハーツを装備して行なうもので、組み合わせによりさまざまな効果を生む。 今作の最大の特徴は移動系のデビルハーツを使うことにより、「飛行」することが可能だということだろう。ジャンプボタンを使うことで、自由に空を舞うことができるのである。 特にダンテの、空を舞い、連射のきく遠距離攻撃を行うその感触が最高だ。ガンガン敵のHPが減っていくのが気持ちいい。ボス戦において、ゲージを満タンにするのは難しいが、そこそこ回復させて変身をくりかえすといった戦い方も可能だ。 前作以上に戦闘が楽しい点も触れておきたい。キャラクタの描画が比較的大きくなり、バランス的には前作よりも少し易しめになっている。ジャンプボタンと回避ボタンが別になっている点もうれしい。 筆者が特に気に入ったモンスターは、鳥の悪魔ピュイアと、山羊の頭を持つゴートリング。ピュイアとは今作ならではの激しい空中戦が楽しめるし、ゴートリングは大きな体でありながら、扱いはザコ敵で、景気よく吹っ飛ばせるのが楽しい。どちらも倒して爽快感のある敵なのである。 ■ 「街」の戦い 今回の戦いの舞台はデュマーリ島。古代の神々や妖精を信仰する人達が、異端として排除され、ようやく見つけた安住の地だ。島にはそういった人々がもたらした「秘密」が数多くあるが、世代を経た島の人々は、それを忘れていた。 その秘密を狙う企業と人があった。国際企業ウロボロス社、そしてウロボロス社の最高責任者アリウスである。アリウスは島が秘める魔の力を我が物にすべく島の秘密を復活させ、島は魔のモノが跋扈する恐ろしい世界に変わってしまった。 ダンテとルシアはその野望を阻むために戦うのだが、そのステージが楽しい。ヨーロッパの町並みを思わせるステージや、巨大ビルの建ち並ぶ道路といった場所で、屋根の上を走り、ビルを駆け上がり、魔物達と戦う感覚はとても斬新だ。前作の巨大な建物の中で戦う感触とは一味違うだけではなく、「鬼武者」はもちろん現代を舞台とした「バイオハザード」ともまったく違った感触が楽しめる。 もちろん街だけではなく、遺跡や工場など閉鎖された空間での戦いもある。壁やさまざまな足場を使い、狭い空間を立体的に動き、敵に攻撃をたたきつける。ちなみに前作にくらべ、敵が視界の外から攻撃してくるということが少なくなっているような気がするが、空中から攻撃していくる敵が多いので、飛び道具の強化をしておくと、戦いが有利に進められるようだ。 あえて個人的には「観客」の存在を感じたかったというところだ。ふたりが戦う場所には、誰も人がいないのである。アメリカのヒーロー映画よろしく、「逃げまどう人を後目に(庇いながら)立ち向かう、という“絵”が欲しかった気がする。ただ、この作品のコンセプトが“ユーザーが「観客席」にいながらも主人公になりきれる”と言ったところにあるので、そういった意味ではコンセプト通りだと言える。 ■ 自分に酔えるアクションゲーム 前作より難易度が抑えめになっていて、さらにふたりの主人公というボリュームも増加。撃ちまくり、斬りまくりのゲーム性、難局を越えることで、「俺ってすげえ!」と自分に酔えてしまうアクションゲームである。ファンのみならず、アクションゲーム好きに特にオススメしたいタイトルだ。 (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. ※画面は開発中のものです。
□カプコンのホームページ
(2002年1月29日) [Reported by 勝田哲也]
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