発売元 CDV Software Entertainment
「Cossacks」シリーズで名を馳せたGSC Game Worldの新作RTS「American Conquest」のMultiplay Demo。同作のPlayable Demoの公開はこれで2度目だが、今回は専用のマッチングサーバーを使ったマルチプレイが堪能できる。ランダムマップ形式による1対1のシングルプレイも楽しめるため、対人戦の前にひととおり練習することができる。
「American Conquest」は、15世紀から19世紀初頭に掛けて広大なアメリカ大陸を舞台に繰り広げられた米国対ヨーロッパの戦いを描いたリアルタイムストラテジー。見てのとおり、グラフィックエンジン、ゲームシステムとも「Cossacks」シリーズのものをそっくりそのまま流用しており、扱っている時代も似通っているところもあって、新鮮味は薄い。もっとも「Cossacks」シリーズ自体が、桁外れに斬新なRTSなので、それでもプレイしがいはたっぷりだ。ある意味、「Cossacks」のアメリカ大陸バージョンといってもいいだろう。
同作は、スペイン、フランス、イギリスといった、「Cossacks」にも登場する侵略国のみならず、アステカ、インカ、マヤ、スー族、プエブロ族、デラウェア族、イロコイ連盟といったアメリカ大陸に点在する被侵略国を1国家としてゲームに登場させており、火力に優れた近代国と機動力に優れた原住民族との対立を描いているところが、「Cossacks」と本質的に異なる部分だ。
Demoでは“USA”と“Britain”の2国しか選択できず、残念ながらアメリカ原住民族ではプレイできないのだが、アメリカ大陸の広々とした大平原で数千人同士が激しくもみ合う大決戦を不特定多数のユーザーと楽しむことができる。
マッチングサーバーへのアクセスはユーザー登録が必要。登録が済むとすぐアクセス可能になる。このマッチングサーバーのユニークなところは、サーバー上で行なわれたゲームをすべて記録しており、成績上位者の対戦リプレイをいつでも参照できるところだ。
対戦スタイルは、ほかのRTSと同様、敵より速く強大な軍備を整え、決戦で敵の軍勢を撃ち破り、一気に敵の首都を壊滅させるというもの。ただし、「Cossacks」のプレーヤーはご存じのとおり、同作をベースにした「American Conquest」にも「Peace Time」と呼ばれる独特のルールが適用されており、スタートして数十分は一切戦闘は発生せず、内政および軍備が着々と整えられる。リプレイで一流プレーヤーの内政スタイルが確認できるのはありがたい限りだ。
スタート時はたった十数人の農民で構成された国家が、わずか数十分で2千~3千人規模にふくれあがり、木や金、鉄といった資源も数百万単位で集められていく。ひとたび決戦が行なわれると、双方合わせて数千人のユニットが倒れ、火砲の使用により鉄資源がもの凄い勢いで消費されていく。こうした個人の思考では制御しきれないような大風呂敷さ加減が同シリーズの最大の魅力で、いまなお近代国家間の戦争をリアルに体験できる唯一のRTSといえる。RTSファンはぜひ一度試してみてほしい。
(C) 2000-2002 CDV Entertainment AG, GSC Game World. All rights reserved.
ダウンロードはこちら(3D Gamers)