発売元 Sierra Entertainment
NASCARシミュレータの老舗Papyrus Racingのシリーズ最新作「NASCAR Racing 2003 Season」のPlayable Demo。北米市場で人気を二分するEA SPORTSのNASCARシリーズに比べ、わずかにビジュアルで劣り、その分リアリティを追求した印象になっている。
Demoでは、フリー走行で各種設定を確認できる「TESTING SESSION」と、1コース限定で10台のライバルカーを相手にレースを繰り広げる「SINGLE RACE」の2モードがプレイできる。コースは「Michigan」と「Talladega」の2本。ともに2,000マイル超のオーバールコースとなっている。
グラフィックエンジンは、「NASCAR Racing 4」や「NASCAR Racing 2002 Season」で使用されていたエンジンより格段に強化されており、ようやくEAの「NASCAR Thunder 2003」に肩を並べるクオリティに仕上がった印象だ。とはいえ、ボディへのリフレクションや、遠景の処理などはまだまだ甘く、相変わらずリプレイはすかすかの印象で、プレイしてなんぼ、チューニングしてなんぼの完全シミュレータ仕様だ。
「NASCAR Racing 2003 Season」の革新的なところは、敵AIの鋭い動きだ。わかりやすい例でいうと、ライバルカーがこちらの動きに合わせて避けるような行動をとってくる。従来のレースゲームでは確実に接触するようなケースでも、敵はすっと避けてレースがスムーズに展開していく。自身の危険を自ら回避するというのは考えてみれば当たり前の行動だが、これを実現しているレースゲームはまだまだ少ないのではないだろうか。
また、ドライブ感覚もリアリティたっぷりで好印象だ。内装のパーツの質感も格段に向上しただけでなく、走らせているだけでボディが小刻みな揺れを繰り返し、衝突時などは車の動きに合わせてボディが上下左右にゆさゆさ揺れる。従来のレースゲームはドライバーと車は一体的な扱いだったが、これだと実際に車を運転している感覚が味わえ、乗っているだけで充実した楽しさがある。いいゲームだ。
(C) 2003 Sierra Entertainment, Inc.
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