開発/発売元 Konami
コナミが2001年にプレイステーション 2向けに発売したSFアドベンチャーゲーム「シャドウ・オブ・メモリーズ」のPC移植版。言語は英、仏、独、伊、西の5カ国語に対応。マウスインターフェイスに対応し、解像度も800×600ドットまで上げられる。
「シャドウ・オブ・メモリーズ」は、「幻想水滸伝」のクリエーターとして知られる川野純子氏が手がけたSFアドベンチャーゲーム。謎の人物により入手したタイムトラベルツールを使って、自らの生命の危機を未然に防ぐという、西洋版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のような内容である。
ゲームの舞台となっているのは、城壁で囲われた中世ヨーロッパ風の一都市。ゲームは主人公アイクがいきなり何者かによって後ろから刺殺されるシーンで幕を開ける。次に目を覚ますと、そこは傾いた古時計や倒れた大理石の柱などが散乱している異空間で、姿無き人物から自らの運命を変えることを勧められる。迷わずその申し出に飛びついたアイクは、時空を行き来できるツールを手に、刺殺される30分前の世界に戻っていくことになる。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同様、過去に時間をずらしても、現在のアイクの肉体はそのままなので、「時間までカフェから出ない」とか「その時間だけ過去に逃げる」といった解法はありえない。死亡時刻の現場の状況を物理的に変えてやる必要があるわけだ。
小説でいえばショートショートのミステリーのようで、ふと頭に思い浮かんだアイデアを実行に移してみる過程がおもしろい。アイデアが外れるとアイクは死亡し、また最初からやり直しとなるが、特にDemoでプレイできるプロローグとチャプター1は、プレーヤーが採れる選択肢は限られているため、街をぐるぐる廻っているうちに解法が見つかるだろう。
グラフィックは、2001年の作品だけに時代相応のクオリティだが、街ではフルインタラクティブ環境で移動できたり、イベント時の絶妙なカメラワークなど、いまだに旧態依然とした作品が目立つアドベンチャーゲーム界の中では、今なお大いに評価できる作品ではないだろうか。
個人的には、何度かタイムオーバーを挟みつつ、楽しくプレイさせてもらったが、黒イヌがいるから「先に進まないでおこう」とか、くるぶしほどの高さの柵すら乗り越えようとしないなど、死を目の前にした主人公の焦りや恐怖感に対する表現の仕方がかなり杜撰なのが残念だ。
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