開発/発売元 Microids
フランスのゲームメーカーMicroidsの新作リアルタイムストラテジー「War and Peace 1796-1815」のPlayable Demo。同社のラインナップは、世界標準からみてきわめて個性的な内容のタイトルが多いが、これもそのひとつ。ヨーロッパ全域を1枚のフル3Dマップで再現し、その上で6カ国が同時に攻防戦を繰り広げるという、超弩級のRTSだ。
「War and Peace 1796-1815」は、副題の年代が示すとおり、ナポレオン戦争を正面から扱ったフル3Dのリアルタイムストラテジー。画面右下の小マップにはヨーロッパ全域が描かれており、フィールドにはパリの街が広がり、そのまま画面を延々北にスクロールさせていくとドーバー海峡にぶつかり、海を挟んでロンドンの街並みが広がっているというような案配である。とにかく途方もないゲームデザインだ。
フランス領だけでもやたらと広いので、スクロールでは間に合わないというか、街の方角を誤ると、プレーヤー自身が迷子になってしまう。移動中に現在位置がわからなくなるRTSはこれが初めてだ。とにかく画面移動にも一苦労なので、1回目のプレイはゲームにならない。フランス領の前線が複数の軍隊から攻められ、あたふたしているうちに敗亡するというパターンになる。
結局3回プレイしてようやくコツを掴んだが、まずはパリなどの安全な拠点に、収入を増やす施設(IndustryやTrading Post)を建設し、初期戦力で敵の攻撃を防ぎながら、国力を蓄える戦術が有効。画面移動は、右上の都市名を右クリックしてダイレクト移動するのがお勧め。兵士育成所関連の軍事施設は、最前線一歩手前の大都市、対プロシア戦線ならフランクフルトあたりにこしらえ、そこから必要に応じて各前線へ派遣するスタイルが有効だ。
プロシア、イングランド、ロシア連合軍の第一派攻撃が収まったところで、戦線を立て直す。そしてパリに大学を造って軍事テクノロジーの研究開発を進めていく。それと、同時に、虎の子の野砲を少しずつためていく。戦備が十分に整ったところで大軍勢をプロシア領に向けて進発させる、という展開になる。Demoでは30分の時間制限が設けられており、残念ながらこの辺でちょうど時間になる。
ところで同作で際だっているのが、歩兵(鉄砲隊)と騎兵、野砲の3すくみが実にうまく機能しているところだ。グラフィックはフル3Dとはいえ、オブジェクトの種類は限られ、ユニットもちまちまキャラで、ビジュアル面では「Age of Mythology」や「Warcraft III」などと比較して数段見劣りがするが、戦略性の高さ、奥行きの深さなどの点において、比べものにならない魅力がある。評価がはっきりわかれそうな作品だが、個人的には24時間連続でプレイしたい気にさせる魔性を備えたいぶし銀のRTSだ。
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