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発売元:バップ
価格:2,200円(税別)
発売日:2002年12月21日
品番:VPCG-84752 |
■ 「ルパン三世 魔術王の遺産」オリジナルサウンドトラック
もし、日本国民全員に「ルパンといったらなにを思い出す?」と、聞いたとしたら、大多数の人が本家アルセーヌ・ルパンより「ルパン三世」のほうを答えるでしょう。
その国民的アイドル(というには、ちょっと歳がいってるかな?)「ルパン三世」のゲームが11月28日にプレイステーション
2で発売されました。
ゲームの内容は、フルポリゴン3Dマップの潜入アクション。ルパンは、ランドルフ王という昔の王様が残した莫大な遺産の鍵となる、「栄誉の水差し」と「勝利の水差し」という2つの古美術品を手に入れるべく、変装や戦闘とあの手この手で大活躍。ルパン一味の仲間たちや、おなじみの「とっつぁん」こと銭形警部ももちろん登場。今までのアニメさながらにストーリーが展開していきます。
私が思うに、このゲームを最も「ルパン」らしくしているのは、なんといってもゲーム中に流れるBGMの存在でしょう。
「ルパン三世 魔術王の遺産」のサウンドは、'77年のルパンテレビシリーズ第2作目から現在にわたってその音楽を手掛けている大野雄二さんが担当、さすがに20年以上もルパンに携わっているだけあり、今や大野さんの作られた曲=(イコール)ルパンの世界みたいな感じですね。
大野雄二さんは、ルパンの楽曲のほか、映画「犬神家の一族」、「人間の証明」などの曲やコマーシャル曲も数多く手掛け、最近では「ルパン三世」のセルフカバーである「LUPIN
THE THIRD JAZZ」シリーズがヒット中の多岐にわたって活躍しているジャズアーティストです。
「ルパン三世 魔術王の遺産 オリジナルサウンドトラック」は、ゲームの雰囲気を盛り上げるために作られた新曲をメインに、今までに使われた曲も織りまぜられ、新旧のサウンドの競演ともいえる仕上がりになっています。
聴いていると、どれが新曲でどれが旧曲かなど意識させられない、全体を通して一貫した「ルパンくささ」ともいえるイメージで統一されていることが素晴らしいです。
私の思う「ルパンくささ」とは、シリアスなのにどこかコミカル、いつもはおちゃらけているけどやるときゃやる、というような、相反するものが同居する不思議なイメージのことです。
例えば、トラックNO.15の「プレッシャー」という曲は題名のとおりとても緊迫した緊張感溢れる曲なのですが、中盤になんかコミカルな部分が聴こえたり、トラックNO.16の「それぞれの思い」も、ルパンのメインテーマであるメロディがトランペットの哀愁漂うソロで始まったあとストリングスが盛り上がり、「かっこいい~!」と思わせたあと急にギャグで落とす……というような「あれ?」となってしまうような展開でもルパンらしい。アニメのストーリーでもいつも2枚目になりきれないルパンの魅力を存分に表現しているアルバムだと私は思います。
「ルパン三世」が誕生したのが'67年ですからもう30年以上も前のことになります。それでも最近、不二子ちゃんのスロット台がパチンコ店に並んだり、毎年テレビスペシャルが放映されたり、ルパンの人気は衰えることなく今も国民的アイドルです。30年前に生まれたにもかかわらず、まったく古臭さを感じさせないんですよね。
ルパンの楽曲も一緒で、古臭いなんてとんでもない、メインのテーマなどはいつ何度聴いても飽きることがないですね。いつでもかっこいいし、どこかコミカルなところも魅力的。ルパンを愛するみなさんもそう思うから、これだけ長い間たくさんの人から愛されているんですよね。
こんなに長寿なルパン人気ですから、私がヨボヨボになってもルパンとその一味は元気に活躍しているのではないでしょうか。
[Text : 遠藤 美幸]
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