発売元 Take-Two Interactive
チェコのデベロッパーIllusion Softworksが手がけたベトナム戦争をモチーフにしたアクションシューティング「Vietcong」のMultiplayer Demo。Illusion Softworksといえば、「Warcraft III」や「Age of Mythology」を押しのけて本年度の北米市場のゲーム賞をほぼ総なめにした傑作「Mafia」の開発元。だが、「Vietcong」の実質的な開発は、同じくチェコのPTERODONが担当しており、「Mafia」ほどの衝撃はない。普通に遊べる作品だ。
タイトルとして使われているVietcong(ベトコン)は、元々ベトナム共産主義者を表した言葉だが、戦争勃発後は神出鬼没のベトナムゲリラ一般を表す言葉になった。「Vietcong」は、南ベトナム政府を支持する米軍の特殊部隊と、ソ連製の銃器で武装したベトナム解放民族戦線との死闘を正面から描いたアクションシューティングだ。
ゲームを起動するとアコースティックギターのソロが寂しく鳴り響き、いきなり厭戦感を煽ってくれる。ゲームモードはマルチプレイのみで、LAN、IP接続に加え、GameSpyによるインターネット対戦に対応している。Demo版にもサーバーブラウザが実装されており、GameSpyクライアントの起動は不要。シームレスに世界中のゲームサーバーにアクセスできる。最大32人同時プレイが可能だ。
サーバーに入ると、まず陣営を選択し、次いで兵種、最後に武器を決める。兵種はSoldier、Machingunner、Sniper、Medic、Engineer、Radiomanの6つ、武器も兵種ごとに数種類ずつ用意されている。が、Demoで選択できるのはSoldier、Machingunner、Sniperの3種のみ。このため、第二次大戦の同レベルの突撃スタイルで戦闘に望むことになる。
Demoでプレイできるステージは、中央に小川の流れる「Stream」のみ。ステージは岸壁と森林で囲まれた谷になっており、爆撃で倒れた大木や生い茂る熱帯樹林が視界をふさぎ、ひどく戦いにくい。戦場には絶えずハエの羽音と小鳥のさえずりが聞こえ、小川に近づくと水の流れる音が聞こえてくる。銃声は常に散発的だが、ときおりスナイパーライフルの銃声がこだまして聞こえ、戦場の緊張感を高めてくれる。サウンドエフェクトのクオリティは高い。
その一方で、肝心のネットコードはかなり貧弱で、画面内の隊員の数が増えるとワープして見える。銃弾を敵に当てるにはしっかり構える必要があるが、構えているうちに視界から消えてしまうような案配で、ひどく間の抜けた戦闘になっている。Ping200台の海外サーバーで試したので、Ping100台の国内サーバーだと状況が変わる可能性もありえるが、肝心の銃撃戦があまり楽しくない。「Medal of Honor」以上にシングルプレイ重視の作品という印象だ。
(C) 2002 Illusion Softworks.
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