発売元 Codemasters
ノルウェーのデベロッパーInnerloop Studiosが手がけた人気アクションシューティングシリーズ最新作「Project I.G.I 2: Covert Strike」のMultiplayer Beta Testクライアント。同作は来年2月にヨーロッパで発売予定だが、強力な対抗馬である「Tom Clancy's Rainbow Six 3: Raven Shield」のMultiplay Demoの出来の良さに慌ててリリースしたのか、テストというわりにはインストーラすら用意されておらず、内容もまったくの未完成。テストのつもりで参加するのならまだしも、ゲームとして楽しむにはちょっと弱い印象だ。
「Project I.G.I 2: Covert Strike」は、I.G.I(I'm Going In)のコードネームで呼ばれる元SAS隊員という経歴を持つフリーランスの戦闘工作員の活躍を描いたアクションシューティング。練りに練ったストーリー展開や優秀な敵AI、自由度の高いゲーム性など、どちらかというと濃厚なシングルプレイキャンペーンに醍醐味があるが、マルチプレイもFPSにはないおもしろさがある。
同作のマルチプレイの魅力は、なんといっても広大な戦場で繰り広げられるゲリラ戦闘にある。広域戦闘を実現したFPSには、「Battlefield 1942」や「Operation Flashpoint」などがあるが、これらが正規軍同士による集団戦なのに対し、「Project I.G.I 2: Covert Strike」は非正規軍同士のゲリラ戦をメインにしている。このためプレイスタイルは「Rainbow Six」シリーズや「Global Operations」などにずっと近い。それを広大な野外で実施するのだからおもしろくないわけがない。
また、システムもユニーク。全プレーヤーは初期状態では単発式のピストルとナイフしか携行していないため、まずは手持ちの現金でお好みの銃器を揃えるところから始まる。あとはそれぞれのスタート地点からGPSマップと各陣営のオブジェクトを確認した上で、思い思いの場所に散っていく。
味方は離れていても頭の上にハンドルが表示されるため、数百メートル離れていても一目でわかるが、敵についてはハンドルなどは表示されないので、とにかく敵を補足することが難しい。「なんだ、誰もいないのか」とのこのこ頭を上げたりすると、その瞬間狙撃されたりして、この広大な山渓のどこかで誰かが睨みをきかせているというシチュエーションがたまらない。
が、先述したように現バージョンではバランスが未調整なうえ、ネットコードも未熟かつ、ビジュアルまわりにもバグが多く、まだゲームとして成立していない。特に要修正なのはスナイパーライフルで、「○○がドラグノフで○○を殺した」というメッセージでログが溢れるような状態だ。
スナイパーライフルは重量があるため、携行者は移動速度が遅くなり、すぐ疲労を覚えるなどデメリットも多いが、500メートル先のオブジェクトの眉間を容易に撃ち抜けるという「誰でもゴルゴ13」状態なのはさすがにまずいだろう。βテストでのチューニングが期待されるところだ。
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