開発/発売元 Microids
ピュアなアドベンチャーゲームの発売元として知られるフランス大手Microidsの新作アドベンチャー「Post Mortem」の英語版Playable Demo。システムそのものは、古典的スタイルを採用したオーソドックスな内容となっているが、前にリリースされた「Syberia」をも凌ぐ、ハイレベルなビジュアルは必見の出来映え。アドベンチャー好きなら試しておいて損はないDemoだ。
「Post Mortem」は、'20年代のパリを舞台に、元ニューヨークの私立探偵で現在はパリで絵描きの生活を送っているMac Phersonを主人公にした探偵アドベンチャーゲーム。物語は、ある日突然、ひとりの女性が工房に仕事の依頼にやってくるところから始まる。彼女はSophia Blakeという名のアメリカ人で、パリで殺害された妹と義理の弟の犯人を捜すよう依頼される。主人公はとまどい、「なぜ私が」と問い返すが、最終的には彼女の魅力に半ば引きずられる形で、依頼を受けることになる。
Demoでは、上記のプロローグシーンを含む、序盤の捜査がプレイできる。ゲームシステムは先にも触れたように、非常にオーソドックスな内容。丹念に聞き込みを行ない、ステージ内のオブジェクトはすべて拾い、ステージの隅々までマウスカーソルを当てて、総ざらいしていくというものだ。探偵道具は、スケッチブック、メモ帳、マップ、カメラなどで、奇抜さには掛けるがこれぞ探偵アドベンチャーの王道という気がする。
グラフィックは、2D、3D兼用スタイルで、ステージはフォトリアリスティックな2Dグラフィックを用い、キャラクタは3Dモデルを採用している。同社のアドベンチャーゲームは毎回この手法が用いられているが、今回も違和感なく2D世界に3Dキャラクタを溶け込ませている。
ゲームをプレイしていて何より感動するのは、20世紀初頭にヨーロッパを席巻したアールデコ装飾が至る所に自然に取り入れられているところだ。いまならアンティークショップか高級ホテルでしか見られないような華麗な装飾品がごく普通に置かれていて、19世紀後半から20世紀前期まで万博開催地の常連だった当時のパリの賑わいや華麗さがゲームを通じて体験できる。
ちなみに「Post Mortem」とはフランス語で死後を意味し、どうやらシナリオも猟奇的な内容のようだが、'20年代のパリ文化を浮き彫りにした作品ということで、フランス人にはもちろん、ヨーロッパ圏で広く受け入れられそうな作品だ。
Microids (C) 2002
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