~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
[予告!!] サイトロンウェブシティ内「GMステーション」にお姉さん1P&2Pが登場! おそらく11月13日ごろに更新!
http://www.webcity.jp/gs/index.msp
■ 「VIDEO GAME GRAFFITI VOLUME2」
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'87年にビクターレコードより発売された(もう17年前かいっ! というトシがばればれのボケツッコミはおいといて)名作と誉の高い1枚です。「ドラゴンスピリット」、「トイポップ」、「ブレイザー」、「ワンダーモモ」、「サンダーセプター」、「妖怪道中記」とまあ名作ぞろいだこと。「ドラスピ」は、「太鼓の達人」なんかにもメドレーで入ってたりしますが、今聞ける「ドラスピ」サウンドのオススメは、iModeの「ナムコiメロキャラ」。要は着メロですが、これがデキのよさったらないです。N503iを使ってるんですが、同じFM音源なので感動することしきり。 |
今週はお姉さまたちが多忙のためいずこかへいってしまわれたようなので、不肖私めがこのコーナーで原稿をかいてみようかなどと不届きな行為に出たわけです。ご容赦くださいませ。
さて、私が最初に買ったGMのレコード(当時CDが出るかでないか、だという時代だったと思いまする)ってのは、おそらくALFAレコードの「セガ・ゲームミュージック
VOL.1」あたりだと思います。当時、PSG音源からFM音源、そしてPCM音源が加わってくるなど、音周りの環境はまさに激動の時代でありました。まるで宝箱をひっくり返したような、という表現がぴったりくる、どの基板も新しい音を模索した、バラエティに富んだ時代だったなーと。
といいつつ、ゲームのジャンルとしては、アーケードにおいてはシューティング、ドライブ、アクションといったあたりが全盛で、それにあわせてか、アップテンポな曲の全盛期でもあったわけです。メロディラインに偏る傾向のある私の耳には、ひっじょーにありがたい時代でもあったわけです。
そして、「ドラゴンスピリット」に出会ったのもこのころでしたな。「ステレオで音が鳴ってる!」というこの衝撃は、なにしろテーブル筐体の足元にもぐりこんで聞きほれてしまうほどでした(テーブル筐体は本体横に下向きにスピーカーがついているんです)。
そしてもうひとつの衝撃は「これがナムコのBGMなの?(←これって今では考えられないツッコミですが)」というめがてん細江さんの楽曲群。ライナーをみると「FMまんまの音」と書いてあります、が!
この「FMの音」が自分にとってなにしろこれからのBGMの未来を感じさせる、そんなドリーミーな音に聞こえたわけですよ。「AREA
1」の冒頭のメロディラインのギラギラした音色、そしてフェードインしてくる「ジョワーン」というFMならでは、のサウンド。ギューッとノイズの載ったドラムにもグッとくるものがありました。PSGもいい音だと思いますが、自分にとってのベスト音源はやっぱりFM音源かなーと思ってみたりします。そりゃ、生音に比べると迫力は落ちることは否めませんが、これはこれで「味」ということで。
それから、主人公アムルのやられボイス「ピギャー(と聞こえる)」や、ラストステージのトラップの動作音などなど、SEも妙に記憶に残るゲームでしたね。クビが3本になると火力はあがるけど当たり判定も大きくなるというなかなか泣かせモノのシステムだったりしたのも思い出すなあ。
とにかく、「ドラスピ」の曲は展開もさまざま(ばらばらともいう)で、非常に聴き応えがあります。ボスの曲にいたっても、最初聴いて展開がよめませんでした。それぐらいボリューム感たっぷりです。その後、電波新聞社さんの「ベーマガ」のGMコーナーにBASICで打ち込むプログラムが掲載されて打ち込んでみたり、X68000版を速攻購入して遊びつくしてみたり、「ドラスピ」サウンドとは長い付き合いになっております。
さて、ここまで「ドラスピ」をもちあげておいて、なぜこのコラムのタイトルを「ドラゴンスピリット」にしなかったか?
という理由をそろそろ説明せねばなりません。それはこのアルバムに入っている「ワンダーモモ」のアレンジにあります。
TAKA&まさごろのボーカルによる、のーんびりした変身前と、豹変する変身後のBGMが見事なコンビネーションでメドレーになっております。初めて聴いた時、「うっわー」と思わず声をあげ、鳥肌がたったwith手に汗をかいたことはよーく覚えています。はっきりいってアレンジモノをなめてました。すいませんごめんなさい(以下延々くりかえし)というぐらいの珠玉のできばえ。サビに向かって上がっていくボルテージ、声のハリといい、まーすばらしい。中学のころ、まだヘヴィメタルを志向していた浜田麻里を聞いていたからかな? はっきりした原因はわかりませんでしたが、とにかく自分には「すばらしい!」の言葉しか出てこない1曲です。
ぜひ、このCD、再販してもらいたいものNO.1なんですけど。ビクターさんのVGGシリーズはすべて廃盤になっているようですが、ぜひ復活をお願いしたいところです。購入からずいぶん経ちますが、いまだに忘れられずにたまに聞いてしまう一枚です。
[Text : 佐伯 憲司] |