~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
■ なぜか最近のムーブメント!?……「ダライアス外伝」
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「ダライアス外伝」オリジナルはサイトロン2000シリーズとして発売されています。また、「ZUNTATA HISTORY L'ab-normal 2nd(品番:ZTTL-0039 価格:2,550円)」にオリジナル音源2曲が収録されています。ゾーンAの「VISIONNERZ」アレンジバージョンがよいです。インナーはOGR氏による学術解説書。ジャケットは黒地のマットなインナーの上にセルが3枚重ねられているもの。なかなかキレイなんですが私の所有CDはセルの天地がわからなくなってしまいなんだかめちゃくちゃ……。
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今年の春頃から身内のあいだで妙な盛り上がりをみせている「ダライアス外伝(ダラ外)」です。よく考えたらゲームセンターにお目見えしたのが'94年なので、もう8年も前のゲームなんですね。それにしては全く古くささがないのが驚きですなあ。
「ダラ外」は、当時ゲームミュージックに生の歌声が入っているのはめずらしく、「歌うゲーム」として有名でした。私のいきつけのゲームセンターでもメガロ筐体(プロジェクター仕様の大型筐体)に入っていたせいかBGM(特に「FAKE」)がとてもよく聞こえてきたものです。仲間うちでも「何のゲーム?」など話題にのぼっていました。私も格闘ゲームで沸騰した頭の熱を冷ますために、よくジュース片手に見学にいったものです。
見学していてハートにメガショックだったのがYゾーン。うっそうと草木が茂り、鮮やかな原色の花が咲く熱帯のジャングルのようなステージなのですが、道中が終わるところでシルバーホーク(自機の名前です)がだんだんと上昇していきます。そして視界に青空が広がり「WARNING!」のアラーム、空には虹がかかり桃色のフラミンゴの群がいっせいに羽ばたく……。
「ダラ外」はもう、この虹とフラミンゴのシーンにつきますね。初めて見たときはあまりの美しさに我を忘れ、手に持ったジュースが傾いてダラダラとこぼれていたのにも気付かなかったほど。口をぽかーんと開けてジュースこぼしてる私はさぞかし怪しかったでしょう(笑)。ついでにゲーセン店員さん、床を汚してごめんなさい。しかしゾーンYのフラミンゴはいつ見ても目頭がじわっとなる、胸が熱くなるシーンです。
情けないことに最近気がついたんですが、「ダラ外」の最終面ってどの面もボスのところで丁度BGMが2ループ目に入るんですよね。曲がすごい盛り上がると同時に「WARNING!」表示がでてボスバトルに突入するんです。そういう細かいところへのこだわりも「ダライアス外伝」の人気の高さに結びついてると思います。
私は今年になってようやくこのゲームを自分でプレイしだしたんです。お気に入りのBGM「AXON」はゾーンFでしか聴くことができないのでそこを目指して下ルートを取っているんですが、なにげにキツイ。人から聞いた話によるとやはり上に進んだほうが楽らしいです。でも「AXON」を聴くためにアーム(「ダライアス」シリーズのバリア。「グラディウス」のフォースフィールドと同じ形状) がカスカスになりながらも下ルートを果敢に(無謀に?)攻める私。最終目標はゾーンY、マンボウと決めています。
「AXON」は「E・E・G」とたいそう似ています。最初まったく区別がつかなくてサントラCDに同じ曲が2回収録されているんじゃないかとマジで思ったくらい。今ではイントロ聴いただけでもどっちかわかりますよ。「AXON」も「E・E・G」もループ前が好きです。特に「AXON」はピアノがとても美しいのでうっとりです。
そして忘れてはならないのが最終面のBGM「SELF」。道中とボスの曲がノンストップなのは「ダライアス2」も同じですね。「SELF」の一番好きなところはメロが女性のボイスなのか楽器なのかぱっと聴いただけでは判別つかないつかみどころのなさ、かな?
イントロは確かに楽器とボイスは別だとわかるのに曲が進むにつれて曖昧になっていく、そのあたりが「ダライアス外伝」のストーリーと深くリンクしているようで、妄想かもしれないですがぐっときますね。
夏をすぎてまた「ダライアス外伝」と疎遠になっています。未だにゾーンNのあたりのルート選択がめちゃくちゃで進行度合いが安定しません。ホタルイカもいやだしイカ戦艦もいやだし、そのへんでオロオロしてるから毎回進む道が違ってしまうのよね。まだまだフラミンゴを自力で見るのには時間がかかりそうですねえ……。
[Text : 遠藤 美幸]
■ 「ガンフロンティア」
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「ガンフロンティア」は、サイトロン1500シリーズで「ルナーク」とカップリングでCDが出ています。当時、友達に借りたことはありましたが……別に、何が問題というわけでもなく、ただそこはかとなく「何で『ルナーク』とペアなの?」という疑問を抱いたなぁ。
また、「ZUNTATA HISTORY L'ab-normal 1st(品番:ZTTL-0038 価格:2,550円)」に1曲収録されています。
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独自の卓越した世界観を見せてくれる縦シュー「ガンフロンティア」。ゲーム全体から受ける印象は、西部開拓時代です。かと言って、馬に乗った人が出てくる訳でも、時代がソレなわけでも、場所がアメリカでもありません。リボルバーや荒野、黄金、といったキーワードが、画面上の絵から効果的に視覚に飛び込んできます。まず1番目立つのが、シュールなんだけど説得力ある男臭いメカデザイン。自機や敵戦車・戦闘機などのメカは、シリンダーだの銃身だの、西部開拓史の男達が武器としていた、銃を象ったデザインなんです。また背景の絵は、険しい渓谷や荒野にできた集落、未開拓の森林などです。そして音楽は非常にウェスタンな感じ。改めてしっかり聴いてみて、コテコテの西部劇してたんだなぁと思いました。
どのBGMも、ステージのシーンと非常に良く合っています。1面は救いようのない暗さの中に格好良さがあって、鉄の棺桶やごつごつした岩場の光景にばっちりハマる。2面は一転して緩やかな調子で、凛と冴える鈴のような音色など、数種類の打楽器が余韻を残し、希望に満ちた感じを醸し出すBGM。ゆったり飛来する巨大な航空機が、画面に「ズゴー」って入ってくるシーンや、突然視界が開けて鳥が飛び立ち(ボス手前)、すごい高空を飛んでいるってことを実感する場面に、よく合っています。ただしここは、最初の残機潰しができる面。ゲームシステム上、潰すとランクが上がっていき、ザコの吐く弾の量が段違いに増えてくるんです。すると、希望溢れるBGMは一転して、三途の川へいざなうテーマと化します。この面の曲って、一筋の光明というイメージにも合うし、死にゆく人よ安らかにっていうイメージとも合うんですよ。だから、それを見越してこの面ワザとこの曲か? なんて思うと、感心しちゃいます。
3面は、手放しで格好イイので、まぁ聴いてくだされ。そして西部開拓時代らしい侘び寂びをたっぷり感じさせてくれる、オススメの4面。荒野の中に作られた集落も西部劇に出てきそうだし、街の映画館から幌馬車のような戦車が出現してボウガンを撃ってきたり、仕掛けも面白い面です。アコースティックギターに似た音が「じゃんじゃか じゃんじゃか……」とリズミカルにかき鳴らされて、いかにもウェスタン。
でも、私が偏執的に好きなのは5面です。ステージ開幕に1回しか聞けない冒頭のパートが、決戦を匂わせる感じで盛り上がっていくんだけど、この時の背景と合っていて、すごく格好良いんです! 遙か眼下には、ものすごい数の戦闘機群、いよいよか! ってな感じです。何と言っても5面は長いステージで、緑ザコの軌道はすごくいやらしいし、渓谷で死んだら切ないほど手前に戻されるし、渓谷を越えた後の戦車地帯も、延々と猛攻が続くし……しかしこのゲーム、死んだら規定の地点まで戻されるタイプなわりには、音楽が途切れないところが優秀ですね。
口笛(に聞こえる)がメロディーを奏でる6面(最終面)の曲も、西部の流れ者といった感じ。いよいよラスボスとの一騎打ち、というシーンにぴったりです。ホント、最後までテーマは「ガン」と「フロンティア」というところで、一貫しています。ラスボスも面白いんですよ、一瞬の判断と狙いを要求する、まるでガンマン同士の早撃ち勝負。戦闘機との早撃ちをさせるシステムと言うか、あのボスデザイン(絵ではなくて)のアイディアには、痺れます。
ステージ曲に対して、ボスの曲は、あんまし格好良くないなぁ……ただ、すごく恐いです。風が吹くようなSEと、炎が燃えさかるようなSEが交互に「ヒュードロドロドロ、ドン」って。何か、時代劇で幽霊が出てきそうな曲かも。しかし、4ボスのBGMは鮮烈で、強風の吹きすさぶSEのみが耳を突き抜けます。んぁー、無骨、シブい!
世界観も際立って異色だけど、弾の飛び方も尋常じゃない。「ガンフロ」は、私が経験した、敵弾が自機を狙って来ない初めてのシューティングでした。セイブ開発の「雷電」などが「正統派シューティング」と称される理由のひとつに、「敵弾が生真面目なくらい自機を狙ってくる」ってのがあると思います。ところが「ガンフロ」は、お前ら頼むから真面目にやってくれ、と敵に言いたくなるくらい、すごい所を狙って弾が飛んでくるんですよ。それはランダムというのではなくて、自機の動いている方向に先読みで弾が吐かれるのです。つまり、移動していれば弾に当たらない、というセオリーは通用しません。ただレバーを入れ続けていても、先読みで置かれた針弾にズドンと狙撃されるという事態が起こり、悲鳴も上げますよそりゃー。
そしてもうひとつが、ランクの仕組み。これもくせ者で、プレイ内容によってハンパでなく変動します。私の腕前では、熟したランクでクリアするのが無理なので、ランクを少しでも下げるべく小細工をすることになるんです。ショットボタンにボリューム連が入っていようと、硬い敵には使わない、また決して撃ちっ放しにしない、そして画面外に弾を出さないなど、その辺が他のシューティングに比べて素直じゃなかったというか、正統に対して異端とまでは言わないにせよ、小賢しい!! 「ガンフロ」のこういった小賢しさが、愛してやまない部分であり、またとっても憎たらしい部分でもあります。勢い余って、首を絞めたい気分。キューっとね。
[Text : 河本 真寿美]
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