~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
■ 「最後の忍道」
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1989年、サイトロンより発売された「IMAGEFIGHT」。「最後の忍道」、「VIGIRANTE」、「イメージファイト」の順に3タイトルが収録されています。あ、最初のトラックがちょっと変わっていて、この3タイトルの他にもアイレムの「R-TYPE」や「MR.HELIの大冒険」などを盛り込んだ、アレンジメドレーになっています。
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今になって、CDを聴いて曲の良さにビビッタ「最後の忍道」。忍者っぽい! めちゃめちゃ忍者っぽい! これぞ求めていた忍者サウンド!
ゲーム全体のイメージに似つかわしいダークな色調に満ちあふれたサウンド。拍子木が鳴ったり、雅楽器を真似て日本調を押し出しているステージ曲も素晴らしく良いのですが、次のステージとの合間に流れる短い曲なども、卓越した感じがします。
最近、若干ニンジャブームが私の中に巻き起こっておるのです。なぜ今、忍者かと言うと、最近いそしんでいるゲームの主人公が忍者なんですよ。ゲームは面白くてたまらないし、世界観も格好良いんだけど、実はイマイチ曲にピンときてなくて、その部分にだけがっかりしながらプレイしていたんです。しかしGMというものは、プレイ中のすり込みもあるわけで、そろそろ、それらの曲群を好きになりかけていたそのときに、衝撃の出会いを果たしてしまったんですね。
あったのです、求めていたものが、「イメージファイト」を聴いてみようと手にしたそのCDに!
素敵なことを思いついた私は、早速ウハウハして「某忍者ゲーム」を立ち上げました。BGM音量をゼロにして消し去り、SE音量だけ最大のまま、「最後の忍道」のCDを流して早速プレイ。……すると、何と、意外にも全然しっくり来ないじゃないですか。何か、いつもと違うよオイ。
ゲームの持つダークな忍びの世界の雰囲気や、曲のテンポなども共通しているハズなのに。「某忍者ゲーム」の、このステージには「忍道」のこの曲がぴったり! とまで思い描いていたのに、……全くうまくハマらない。慣れの問題だと思って、しばらく頑張っていたけれど、挙げ句の果てには違和感が気になって、ミスを連発し始める始末。音合わせも無いのによぅ……と、仕方なくこの計画は断念しました。
そこで気付いたのが、実はもうすでに「某忍者」でのBGMのすり込みは、終わっていたということです。そして、GMとはそもそも聴こうとしなくても「聞こえてくる」ものであって、ゲームをプレイする経験に自然に付随して、プレイ内容から得る感慨に勝手に加わってくるんだなぁ、と、妙に感心しました。緊張しながら稼いだ点、倒したボス、初めてコンティニューなしで入ったステージ、その時流れていた「あの曲」という具合に。
とは言え、やっぱ微妙に不思議です、「忍道」こんなにカッコイイのになぁ。恐らく、「某忍者」のほうは、曲だけで聴くことはないでしょうに。あ、今はそう思っているけど、実はこのまま回数をこなしていけば(いやもうすでに)、いくらか時が経ったときに改めて聴くと、涙が迸るかも……いや、そうか? ホントにそうなのか? それは時が経ったらまた語るとしましょう。
「最後の忍道」というゲーム自体は、3面を越えたことがあったっけ? という程度の遊び込みで終了してしまいました。
最初見たとき、忍者にオプションがつく様にツッコミを入れたくなったけど、「いや、彼忍びの人だし、アリってことで」と思うに至ってそれ以降、敵を倒した時の爆発エフェクトも、忍者がそんな「R-TYPE」みたいな爆発を? という部分も、気にならなくなりました。それもアリってことで。
世間的に非常に難しいと評されるゲームで、そのカラさがたまらず近年「渋谷会館」でひっそり遊んでいたんです。難易度のこともよく知らなかったので、めいっぱい強くなってみは、硬い忍者が迫ってくると慌てて鎖がまを回転させられなかったりして。落ち武者にずびりと斬られたり、犬や坊さんにぶつかって残機を減らし、運良くボスまでたどり着いても絶望的なやられ方をしていましたねぇ。
このかっちょいい忍者サウンドを、ゲーム内容と共に経験した人を羨ましく思います。CDを聴くだけで「忍道」のゲームの情景と、その興奮を思い起こせるという人を。あのー、「DARK BLUE」ってどんな面なんでしょうか?
[Text : 河本 真寿美]
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