このコーナーでは、11月3日に開催される「第3回 ギルティギア ゼクス フェスティバル」に向け、「ギルティギア イグゼクス」の登場キャラクタが持っている武器やアイテムを作ってしまおうという企画をお届けする。制作は、高度な造形技術と豊富な知識を持つ謎のマスクマン「ロボガイ」氏が担当。
今回も前回に引き続き、カイの「封雷剣」を制作。前回は設計図の書き方や材料、工具について説明したが、今回はいよいよ制作に入る。
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ロボガイ氏神業的造形技術を持つと言われている。これまでに様々な武器やアイテムを制作しており、クオリティが高いことで有名 |
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設計図を描いて道具と材料を揃えたら、本格的に制作開始
さっそく今回から製作に入ろうと思う。再度確認しておきたいのは、自分の頭の中で「どのような物にするか」と言ったビジョンを思い描いておかないとイイ物は作れないということ。より良い物を作るには、綿密な構成とヤル気、それから愛情も大切(笑)。
(1) 刀身断面 |
(2) 刀身FRP加工 |
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まず、芯用のアルミ角棒を囲うように4枚の木の板を組み合わせ菱形状のブロックを作る。剣先は一言で説明するのは難しい。刀身の厚み、幅、長さなどで形が変ってしまうからだ。
工作用紙などで自分の刀身に合うよう、型紙を作ってから構造を把握しながら木を切り出すと良いだろう。 |
刀身が組み上がったら、グリップ部分に木で厚みを付け、表面にガラスクロスとFRP樹脂を塗る。ここは刀身表面の強度アップを図ると言うよりも、グリップ部分と内部の補強の意味が強い。 なお、FRP加工は非常に危険な内容が多く、決して簡単ではないので初心者向けではない。チャレンジするなら、ネットで勉強したりハンズの店員に聞くなど下準備を充分すぎる程してから臨もう。 |
本体部分の各パーツは、「ヒートプレス」と言う技法で作り出す。「ヒートプレス」とは、簡単な形で同じ物を量産する場合に便利な技法だ。封雷剣は左右対称なので、今回はこの技法を採用した。
(3) バルサブロック |
(4) バルサ型完成 |
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まずバルサをブロック状に接着する。各パーツの寸法より少し余裕を持って大きめに作ろう。 |
バルサで作ったブロックを削り出して各パーツの型を作る。最初はカッターでおおまかに削り、大体の形になったら紙やすりで細かく形成していこう。勢いあまって、削りスギに注意。 |
(5) ヒートプレス |
(6) ヒートプレス完成 |
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型より少し大きめに切りぬいた木枠2枚の間にプラ板を挟み込み、クリップ等でしっかり固定。これをガスコンロ等の上で熱し、プラ板を軟らかくする。軟らかくなったら、しっかり固定した型の上に押しつけ軟らかくなったプラ板を引き伸ばす。そのままの状態で、プラ板が冷めて固くなるまでしっかり保持。 |
必要の無い余計な部分をカットして、切り口を紙やすり等でキレイにして完成。ここでは、溶けたプラスチックによる火傷に注意!! |
これで大体のパーツは揃った。封雷剣のシリの部分にふたつ付いている青い円柱状のパーツとグリップ部分は、東急ハンズに売っていたアクリルのケースとパイプをそのまま使用。難しいパーツは市販品の中から流用できそうな物を探すのも手だ。身の回りで使えそうな物はなんでも流用しよう。
(7) 各パーツ塗装 |
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次は塗装だ。塗料は「水性系」と言う物ではなく、「ラッカー系」、「アクリル系」を使おう。中でもラッカー系は塗膜がしっかりしていて剥がれにくく、乾燥も速いのでお勧め。塗装をする際は、換気には充分注意しよう。 |
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ワンポイント・アドバイス! |
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経験のある人も少なくないと思うが、スプレーでの塗装は一度で塗りきろうとするとまず失敗する。液が垂れてしまったり、均一に塗れないと言う人の原因はたいがいこれだ。多少時間はかかるが、うっすら吹きつけては乾燥させを繰り返し、3回目くらいで塗り終わるようにするとキレイに仕上がる。完成品の精度や美観を上げる為にもコレは覚えておこう。 |
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ここまで作り方を簡単に紹介して来たが、講座での順番通りに作業を行なう必要はなく、各人のペースと好みで好きな所から手をつけよう。くれぐれも、途中で「難しい~」とか「自分には無理~」などと決めつけて挫けないように。最初にも言ったが、前向きな姿勢とキャラへの愛情があれば成し遂げられるハズ!
次回は、仕上げから組み立て、完成までを公開。カッコ良く仕上げる為の細かいテクニックも紹介するぞ! オ・オ・オタノシミニ。
(C)Sammy 2002/1998-2002 ARC SYSTEM WORKS Co., Ltd.
[Text&Photo by ロボガイ / Produced by 田名網陽平]
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