カウントダウン“Xbox”!

第1回
“Xbox”どーなってるの? ハードウェア特集



4.ハードディスク内蔵でどうなるの?

 Xboxには、標準でハードディスクが内蔵されており、ゲームのセーブ領域やプレイデータの保存、ゲームデータのキャッシュ領域などとして利用される。しかし、それだけのためにハードディスクが内蔵されているわけではない。そこで、Xboxにハードディスクが内蔵されていることで、どういったことが可能になるのか、検証してみたい。


セーブデータやプレイデータの保存が基本用途

Xboxダッシュボードのサウンド設定メニューで「ドルビーデジタル」項目をオンに設定すれば、ゲームサウンドを5.1chサラウンドサウンドで楽しめる
 Xbox内蔵ハードディスクの基本用途は、冒頭でも紹介したように、ゲームのセーブデータを保存したり、ゲームのプレイデータを保存したりといったものだ。また、ゲーム進行をスピーディにするためのキャッシュ領域としても利用される。もちろん、標準で用意されているEtherネットポートを利用したネットワークサービスが開始されれば、ネット経由でダウンロードしたゲームデータなどを保存するといった用途にも利用されるようになるはずだ。

 ただ、ハードディスクの利用用途は、上記のような基本的なものだけではない。Xboxダッシュボードに用意されている「ミュージック」メニューでは、音楽CDを内蔵ハードディスクに録音するという機能が用意されている。好きな音楽CDをXboxで録音しておけば、Xboxをジュークボックスのように利用可能だ。

 しかし、なぜこのような機能が用意されているのか。本当に、ただ単純にXboxをジュークボックス代わりに利用するために用意されているとは思えない。おそらく、内蔵ハードディスクに録音した音楽CDのデータをゲームから利用できるようになっているのではないだろうか。例えば、ゲーム中のBGMとして、自分の好きな音楽を利用する、といったように。

 現状では、こういった特殊な用途に関して発表は何もないものの、今後ハードディスクの様々な利用用途が明らかになってくるはずだ。そして、それによってXboxの利用用途が大きく広がってくるだろう。

 ちなみに、現状での最大の利点は、メモリカードがほとんど必要ないという点だ。データを持って友人とやり取りをする場合以外は必要ないだろう。ゲームのセーブデータもハードディスクに保存されるため、ゲームのセーブ用途でメモリカードを購入しなければならない、といったことから解放される。もちろん、それだけユーザー側のコスト負担が少なくなるため、かなりの利点といえる。

Xboxダッシュボードに用意されている「ミュージック」メニュー。音楽CDをXbox内蔵ハードディスクに録音できる 現状では、録音したサウンドデータはこのメニューないで聴くしか利用用途はない。ちなみに、録音データ形式は不明だ ゲームのセーブデータもハードディスクに保存できるため、メモリカードは基本的に必要ない


ハードディスクは耐衝撃性・耐久性に優れた特注品

 Xboxに搭載されているハードディスクは、見た目はPCで広く利用されている3.5インチドライブが採用されている。しかし、実際には、耐衝撃性や耐久性に優れた特注品となっている。一説では、スペースシャトルに搭載されているハードディスクと同等の耐衝撃性・耐久性が実現されているものだそうで、一般的な3.5インチハードディスクとは大きく異なる耐久性が実現されているようだ。

 こういった特注品のハードディスクが採用されているのは、Xboxが一般家電に属する製品であり、パソコンのように衝撃などに対する注意を消費者に強いるのは難しい。また、パソコンのようにハードディスクを交換することも難しいため、長時間の利用でも故障しにくい耐久性も必要だ。そのため、多少乱雑に扱われたり、長時間利用しても大丈夫なように、耐衝撃性や耐久性に優れたハードディスクを採用しているわけだ。

 ところで、Xboxに搭載されているハードディスクの容量に関しては、マイクロソフトは正式に発表していない。Xboxダッシュボードでハードディスクをチェックすると、「合計50,000+ブロック」「空き容量50,000+ブロック」などと表示され、実容量では表示されない。

 ちなみに、これまでに実際に購入した北米版Xboxをチェックしたところ、Western Digital製の容量8GBのドライブを搭載するXboxと、Seagate製の容量10GBのドライブを搭載するXboxの2種類を確認している。Seagate製の10GBドライブを搭載するXboxのハードディスクが、容量10GBをフルに利用されているかどうかは不明だが、少なくとも全てのXboxでハードディスク容量は最低8GB確保されていると考えていいだろう。また、搭載容量を発表していないということは、今後発売されるXboxでは、搭載されるハードディスクの容量が変化する可能性も否定できない。

 とはいっても、Xboxでハードディスクを利用するサービスなどは、当然最低容量といえる8GBを基準として実現されると思われるため、実際には搭載されるハードディスク容量について気にする必要はないと言っていいだろう。

Xboxに搭載されるハードディスクの容量は未発表。Xboxダッシュボードではブロック単位での表記となり、実容量は不明だ Xboxに搭載される3.5インチハードディスク。見た目はPCで広く利用されているものと同じだが、耐衝撃性・耐久性に優れた特注品だ




(2002年2月1日)

[Reported by 平澤寿康]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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