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基本ルールは単純で親しみやすい。「カード集め」や「陣取りゲーム」の面白さも詰まった新機軸のメダルゲームだ
 ギャンブル機器のイメージが強いメダルゲームの中にあって、「モンスターゲート」が従来のメダルマシンと一味も二味も違うことは、一瞥すればすぐにわかるはずだ。家庭用ゲームを嗜む方なら、すぐにご理解いただけるだろう。

 すでにいちジャンルとして定着して久しい、いわゆる「ダンジョン生成型RPG」または「ローグ系RPG」と呼ばれるタイプである。もしこのジャンルが好きか、あるいは興味があるならば「モンスターゲート」をプレイしてみることを強く勧めたい。ルールと本質を知り、やもすれば敷居が高いと思われがちなイメージが払拭できれば、現在よりもさらに多くのプレーヤーが遊んでくれるはずだからだ。それだけの楽しさがこの作品にはある、と断言しよう。

 連載第1回目の内容は、まずは触っていただくために、基本ルールやシステムなどのガイダンスを中心に「モンスターゲート」の“本質”に触れてみたいと思う。


メダルゲームの先入観を取り払い、まずは遊んでみよう

 「モンスターゲート」が面白そうだとは思いつつも、メダルコーナーに普段から足を運ばない方にとっては、始めるまでにいくばくかの勇気が必要なのではないだろうか。それは“メダルゲームである”という一点に集約されるのではないかと推察する。

 メダルゲームは“メダル”を使う。慣れた人には当たり前のことだが、普段ゲームに馴染みがない人には、その使われ方が「インフレを起こした通貨の如く」映るようだ。このゲームに限ったことではないが、プレーヤーはことあるごとにメダルを要求される。

 メダルを使わずに行なえるのはダンジョン内での移動と通常攻撃くらいのもので、他人のプレイをハタから見ていると「メダルが何枚あっても足りない」というイメージを持ってしまうのも致し方ないところではある。中には1枚のカードで30枚ものメダルを使うものもあり、志半ばに力尽きようものなら、使ったカードとメダルはほぼ無駄になってしまう。50円、100円で遊ぶビデオゲームに比べると、随分と割高なイメージがあるかもしれない。

ダンジョンや城をクリアすると大量のメダルが支払われる。プレーヤーがもっとも達成感を得られる瞬間だ

 しかし、ダンジョンや城をクリアすると、WIN(報酬)として大量のメダルが獲得できる。ここが大きなポイントだ。これによって、それまでに消費したメダルを一気に還元してくれるシステムになっている。WIN数はダンジョンの難易度によりさまざまで、下は3枚から上は最高で700枚にも及ぶ。もちろん、WINが高いほどダンジョンの階層や必要なカードも増え、結果としてクリアに要するメダルは多くなる。さらにWINの高い城ほどリスクも高くなるので、実際にはそうそう簡単に落とせるわけではないのだが。

 見逃せないのは、そこに戦略が確実に存在している点である。判断力や攻略情報の有無が、メダルの消費量に雲泥の差を生じさせる。そこはプレーヤーの力量次第というわけだ。さすがに運要素を完全に無くすことは出来ないが、低くする努力はいくらでもできる。こうした運と腕の絶妙なバランスから来るゲーム性は、既出のローグ系RPGですでに折り紙付き。ここにメダルというリソース、他プレーヤーとの陣取り要素が加わることで「モンスターゲート」はさらに一歩進んだ独自の面白さを生み出しているのだ。


先行投資型のゲームシステムを理解しよう

 さて、「モンスターゲート」でメダルを稼ぐことはできるのか? という命題。これは誰しも気になるところだろう。その答えは「不可能ではない」といったところか。業務用マシンという性格上、すべてのプレーヤーが得をするようには作られていない。このことがまず大前提としてある。

 確かにスロットなどで派手に遊べば、メダルはあっという間に底をついてしまうだろう(逆に大フィーバーの可能性もあるが)。だが、基本に忠実なプレイを心がければ、メダルの消費は実に緩慢。戦略と運次第で、増やすことも十分可能である。少なくとも、パッと見の「何をするにもメダルが必要」というイメージとはかけ離れた消費で済むことがご理解いただけるはずだ。

 極端な例を挙げると、一番初めにプレイする“はじめてのダンジョン”がある。BET3、WIN3なので利率はプラスマイナス0だが、内容が非常にやさしく、ほとんどの場合カードさえ無使用でクリアできる。ここではポーションが3つ、運がよければモンスターカードも手に入るので、たった3枚のメダルでカード資産を増やしていける。もちろん、これだけを繰り返すのは作業的でとてもつまらないし、いいカードがまったく入手できないという欠点もある。

最初に体験する“はじめてのダンジョン”ではルールを丁寧に説明してくれる。ここをプレイすれば「モンスターゲート」の基本が自然に理解できる作りになっている

 大量のメダルを獲得できる要因としては“ダブルアップ”の存在が大きい。もし探索中にこれを拾えれば、WINが倍付けになる実に嬉しいカードだ。稀ではあるが2枚、3枚と出ることもあり、WINの高いダンジョンでは文字通りの一攫千金も夢ではない。

 また、対戦ゲームで城を自分のものにすれば、他のプレーヤーが攻め込んできた場合「防衛費」として放っておいてもメダルが入ってくる。城には“ガーディアン”としてモンスターを配置でき、強力なガーディアンを配置するほど当然城は堅固なものになる。難易度の高い城に対してこまめにガーディアンの補充を続ければ、防衛費が毎週何百枚と入ってくる状況も実現可能だ。もし落とされたとしても、配置したガーディアンのBET数に応じてある程度のメダルがバックされるため、大きな痛手にはならない。

 ……と旨味ばかりを強調したものの、結論から言うと「モンスターゲート」を本格的に始めるならば、ある程度まとまった量のメダルが必須と言える。それは本作が「まずメダルを消費し、最終的にそれに代替する報酬を得る」という先行投資型のゲームだからだ。難易度の高いダンジョンや城になると、数百枚ものメダルを消費する。その代わりに、クリアできればさらに数百枚上乗せされて帰ってくる、という図式だ。全体的に、ダンジョンの難易度に比例して利率(WIN数/消費メダル数)も高くなる傾向がある。

 この点を踏まえ、初めて遊ぶ場合でも、思い切って100枚くらいはメダルを借りておくことを勧める。店舗によって交換レートは異なるが、およそ1,000円分程度であろうか。もし、2,000円なり3,000円で交換レートが上がるなら、迷わず最大レートで借りておきたい。どう運用するかはプレーヤー次第だが、元手がないとできることも限られてしまう。

 前述の“はじめてのダンジョン”ならメダルが3枚あればよく、基本ルールも概ね理解できるので、お試し感覚のプレイにはちょうどいいだろう。とにかく、触ってみてほしい。面白いと思ったら、そこで初めて本格的にスタートすればいいのだから。



(C)KONAMI 2001

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