【連載第36回】　あの、おもちゃを徹底レポート

ステッぴあの (写真左)
発売	コナミ
価格	8,800円
電源	アルカリ単3電池×2
発売日	発売中
フルーンべる (写真右)
発売	コナミ
価格	4,950円
電源	アルカリ単3電池×2
発売日	発売中

■ マシントレーニングの単調さはこれで解決!

　勇んでスポーツクラブに入会はしたものの、あえなく挫折。途中退会をしてしまった経験のある方、いらっしゃいますか?　今回は、そんな方にこそおすすめのアイテムを紹介します!

　「フィットネスオーケストラ」シリーズは、コナミから発売された新感覚のスポーツ器具。スポーツ器具に「音楽の演奏」という遊びの要素をプラスしているのがポイントだ。例えばシリーズのひとつ「ステッぴあの」は、足腰を鍛える健康器具であるステッパーをピアノに見立てたアイテムで、ペダルを踏むたびにメロディが奏でられる。聞くところによると、フィットネスクラブの途中退会の理由は、マシントレーニングの単調さがダントツに多いという。単純な反復運動の繰り返しに飽きてしまうらしいのだ。この「フィットネスオーケストラ」は、この問題を解決すべく、単調な反復運動に「遊び」を加えたというわけだ。

　これだけでも悪くないアイデアだとは思うが、さらにJALマイレージバンクのマイル獲得の要素がプラスされているのがミソ。ご存知の通りJALのマイルとは、同サービスの会員にJAL国内線・国際線や提携先の販売店での買い物などの利用額に応じて、マイルがプレゼントされるサービス。貯まったはJALの航空券などに変えられるとあって、世界で800万人もの会員を集めている。
　この「フィットネスオーケストラ」では、運動の達成度に応じて、マイルが手に入るというのだから面白い。

「ステッぴあの」（左）と「ふるーんベル」（右）のパッケージ。ポップなデザインで、従来の健康器具とはひと味違う内容をアピール

■ ペダルを踏むとピアノの演奏が鳴り響く!

　「ステッぴあの」は、くり返しペダルを踏んで足腰を鍛える器具だ。箱から取り出し、その重量にまずビックリ。腕にズッシリと重い。楽しそうな仕掛けにうっかりしていたが、これはあくまで健康器具。大人の体重をしっかりと支え、ペダルの上での運動をサポートする堅牢性こそが何より重要なのだった。
　使用する前に、簡単な組み立てを行なう。ピアノ型の計器に電池を入れ、本体に取り付ける。このピアノ型の計器、サイズは小さいが、果たす役割は大きい。メロディの再生機能から、経過時間の表示、ステップのカウントまでを担っているのだ。カウントされたステップは、消費カロリーに換算して表示することもできる。

　本体のペダルに足を乗せて数回ステップをくり返すと、太ももにグググッと負荷がかかる。これはいい運動になりそうだ。
　曲は用意された8曲の中から選べる。「明日があるさ」「LOVE2000」と最近のヒット曲をはじめ、演歌なら「与作」、童謡からは「森のくまさん」「アイアイ」、クラシックからは「交響曲第9番 歓びの歌」と、全年齢層をカバーした選曲がなされている。長時間のトレーニング向けに、全曲のメドレープレイも可能だ。

「ステッぴあの」本体。総重量は約9kgで、100kgまでの体重を支えられる	ピアノ型の計器。液晶画面には運動開始からの経過時間とステップ数、消費カロリーなどが表示される

■ 曲のリズムを探って、正確なステップを踏む

【“ステッぴあの”のムービー】 WMVファイル　599KB

　ピアノ型の計器を操作して、「喜びのうた」を選曲。真剣にトライアルしてみることにする。
　まずはゆっくりとペダルを踏んでみると、ピアノ型計器のスピーカーから、ピアノの音色が聴こえてくる。音質は軽やかだが、問題はメロディ。ジャイアンの歌唱に負けないほどの不協和音なのだ。頭がグラグラしてくる。
　しかしふと、なるほどなと瞬時に理解した。メロディは、ペダルを踏むテンポに合わせて奏でられるのだ。美しいメロディを響かせるには、曲に脈打つリズムを把握し、その通りにぺダルを踏む必要があるのだ。と、仕組みを理解して、リズムを意識して、ステップのテンポを変えてみる。すると、少しずつ「歓びの歌」が奏でられてくるではないか!　さらにリズムを意識し、正確なステップを心がける。さきほどの不協和音が嘘のように、美しい音楽へと変わる。確かに、これは気持ちがいい。
　今度は、違ったテンポを試すべく、曲を「恋のダンスサイト」に変えてみる。リズムがアップテンポにチェンジしたので、今までのステップは通用しない。頭の中で「恋のダンスサイト」を必死に思い出し、かすかな記憶を頼りに、正確なステップを心がける。
　すっかり息は絶え絶え、汗はダクダク、足はパンパンだけど、確かに今までの健康器具とは使用感が違う。まず最初に体を動かしながら曲のリズムを探り、それに合わせて正確にステップを踏む。このちょっとしたゲーム感覚が、今度はもっとうまく演奏しよう! 全曲を極めよう! とやる気をいたく刺激する。

■ 上下左右に振るとハンドベルの心地よい音色が耳をくすぐる

【“フルーンべる”のアクション】 WMVファイル　629KB

　一方、「フルーンべる」は、ダンベルをハンドベルに見立てた器具。「ステッぴあの」と同様に、上下、左右に振ると、メロディが奏でられる。パッケージにはダンベルがふたつ入っていて、片方に運動量のメロディの再生や運動量のカウント機能がついている。ダンベルの重量はそれぞれ600gと決して重くはないが、これは初心者を含めたファミリー向けの仕様のためだろう。

　収録されている曲目は「ステッぴあの」と同じ。ただし、腕を振るという運動の性格上、振幅の幅が大きくなって、正確なメロディを奏でるのがいっそう難しくなっている。
　とはいえ、だからこそ、リズムに合わせて腕を振る動作が楽しい。再生されるのは、ハンドベルならではの透明感のある音色。時には運動をしていることを忘れ、奏でられるメロディに聴き入ってしまうほど……というと言いすぎだろうか?
　また今回はレポートできなかったが、「クルンほるん」は、ホルン型の台座の上に乗って、体を左右にツイスト。ツイストがテンポよく続けば、ホルンの演奏を奏でられる。全身運動は元より、腰まわりのダイエットに効きそうだ。

「ふるーんベル」本体。ハンドベルを模した優雅なデザインで、グリップ感は良好	メインパネル。液晶画面にマイル獲得のパスコードが出るまでがんばろう!

■ 一石二鳥作戦は効果てきめん!

　JALマイレージの獲得は、同梱のハガキを通じて行なう。運動量のカウントが「9999」に達すると、液晶画面にパスコードが表示される。これをハガキに書き込んで応募すると、応募者全員にマイルがプレゼントされるのだ。ちなみに以下のような設定となっている。

ステッぴあの:20マイル
フルーンべる:15マイル
クルンほるん：15マイル

　運動をして、健康になって、さらにマイルが貯まる。「フィットネスオーケストラ」シリーズは、まさに一石二鳥のアイテムだ。運動が持続するかどうかは何よりその人自身のやる気次第だが、音楽演奏という仕掛けと、マイルが貯まるというご褒美は、やる気を強力にサポートする。実際、“マイラー”を自認するわが妻などは、全然関係ないのに「マイルを獲得する!」と「ステッぴあの」にいそしんでいる。効果はてきめん、のようだ。

(C)2001 KONAMI

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□コナミ HE事業本部のホームページ
http://www.konami.co.jp/he/
□ニュースリリース
http://www.konami.co.jp/kmj/pdf/kmj01-008.pdf
□フィットネスオーケストラシリーズ
http://www.konamisportslife.com/he/products/fit-o/index.html

　毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

(2001年9月27日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]

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