深夜の首都高を舞台に、走り屋たちが1対1の熱きレースバトルを繰り広げる。首都高を流しつつ、ライバル車を発見したら“パッシング”でバトル開始。ライバル車との実力差がありすぎると拒絶される場合もある。バトルの勝敗は「スピリットポイント(SP)」で決まる。SPは精神力を数値化したもので、ライバル車の後塵を拝している状態や、障害物に接触すると減少し、最終的にはSP値がゼロになった方が負けとなる。ライバル車を片っ端から倒していく「クエストモード」では、勝利時の残りSPと走行距離に応じてクレジットポイント(CP)がもらえる。
「首都高バトル2」の特徴は、そのタイトルが雄弁に物語っている。前作で環状線のみだった走行エリアは、深川線、湾岸線、横羽線を含めた全長約180kmに拡大。F-1などで使われる専用コースも魅力的だが、よほど詳しい人でもない限りは「首都高」のほうが身近な存在であり、コースレイアウトや走行中の景色から受ける親近感、臨場感は後者の方が上だろうし、それが「とっつきやすさ」にもつながっているのではないだろうか。
登場車種は60種120グレードで、ゲーム中では排気量やサイズを目安に便宜上A,B,Cの3ランクに区別されている。バトルで獲得したCPで愛車を改造してパワーアップし、より強いライバルを打ち負かすべく、ひたすらバトルを繰り返すのがゲームの基本。ゆえに、総じて排気量が小さいCランクの車を最初に選ぶと、先々かなり苦戦する。強いライバルほど勝利したときの獲得CPが大きく、弱小ライバルをチマチマ狩るよりも圧倒的に効率がいい。また、首都高を流すタイミングにもよるが、ライバルは倒すごとにより強力な相手が出現する仕組みになっており、性能重視で車種選定やパワーアップを行なわないとまず勝てなくなる。負けてもCPは入るが、その数値や微々たるもの。仕方ないことだが、中盤以降パワーがない車は役に立たない。CよりはB、それよりもAといった具合だ。
ゲーム終盤は、300kmオーバーが当たり前の緊張感あふれるバトルの連続。一般車を避けながらライバル車の鼻っ柱を押さえつつ相手のSPが尽きるのを待つのだが、これが結構ツラい。ライバル車は恐ろしい勢いで煽ってくるうえに、幅が狭いカーブなどで走行ラインを妨げる一般車を避けるのは至難の業。接触でもしようものなら、即刻ブチ抜かれて追いすがることもままならない。ライバル車は動きも辛辣で、走り屋にも関わらずラインを譲ることなく平然と車体をぶつけてくる。この理不尽にも思えるCPU車のライン取りと速さについては、一部プレーヤーの忍耐を超えてしまうかもしれない。が、そういった不逞の輩を下したときの達成感(もしくは安堵感)は格別の一言だ。
数あるレースゲームの中でも、「首都高」という単語には、何か特別な響きがあるように思えてならない。未体験のレースゲームファンがいれば、触れてみて損はないだろう。
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