編集部がオススメするDCソフトカタログ
【3D対戦格闘】

DEAD OR ALIVE 2

●テクモ●5,800円●1人~2人
オリジナルに最も近いDC版をあえて推す

 「DEAD OR ALIVE(DOA)」シリーズとは、初代業務用以来の付き合いになる。「DOA2」にいたっては、AC版~北米DC版~プレイステーション 2版~ドリームキャスト版~PS2「HARD CORE」にいたるまで仕事でプレイした。一番プレイしたな、と思うのはやはり公私ともにプレイしたAC版だが、次はDC版だった。なにしろ、AC版「MILLENNIUM」のハードウェアエンジンはNAOMIである。その直系たるアーキテクチャを採用するDC版こそ、誰も言わないかもしれないが、自分の中では業務用の正統後継者たる存在であると思っていたからにほかならない。

 確かに「MILLENNIUM」から改良が施された技群、新キャラであるバイマン、家庭用解像度に合わせたテクスチャの変更など、違いはあるにせよ、ゲームのテンポなど、一番AC版を再現しているな、と思わせるのはやはりDC版だから。こういったことにこだわることこそ古いのかもしれないし、まあ、PS2だろうがDCだろうが本質の面白さは変わらないのだが、あえて個人的にはDC版を推したい。

 このゲームの魅力はやはり「投げ、打撃、ホールド」の三すくみとホールド技の快感にある。攻撃を食らってやられた側に残された最後の選択肢たるホールド技は、読みが当たれば一発逆転の可能性も秘めたスリルあふれる要素を提供してくれている。業務用では上段、中段キック、中段パンチ、下段の4択であり難易度が高いと言われたホールドコマンドも、家庭用版なら簡易コマンドで3択にすることもでき、習熟度が低くても一点読みで逆転を可能にしやすくしてくれている。

 逆に攻める側には、一般的にいう「よろけ」状態を起こす=クリティカルの機会がこのゲームには多数用意されており、攻め側のクリティカルの持続と、ホールドのギリギリの戦いが展開されることになる。攻め続けるか、それともホールドを警戒して様子を見るか、浮かせてしまうか、投げに移行するか……など、このゲームならではのロジックによる駆け引き、そして読み勝ったときの痛快なダメージは、ともすれば「減りすぎ」と思われるだろうが、リスクに見合った報酬といえるだろう。また、攻撃ヒット時に高速で交代できるタッグバトルモードは、シングルプレイでは不可能な多段コンボをテンポよく展開でき、慣れこそ必要だがとても快感指数は高い。

 広さだけでなく高低差やビジュアルイメージをゲームシステムとともに融合することに成功したステージ、シームレスに展開するデモシーンがインパクトを与えたストーリーモード、アップに耐えられるべく爪までが再現された魅力的なキャラクタなど、このゲームが持ち合わせた先進性は他の格闘ゲームなどに確実に影響を与えているだろう。Xboxでやがて登場する「DOA3」も、この延長線上の高みを目指して開発されている。この機会にぜひ、触れたことのないプレーヤーにはDC版に触れてもらいたいと願うばかりである。

ガツッと敵の攻撃を受け止めて反撃するホールド技の快感こそこのゲームの真骨頂 初代「DOA」で引退したバイマンもDC版、PS2「HARD CORE」で新技をひっさげて復活 吹き飛ばし、ぶつける快感を追求したステージ。スリップなど仕掛けは多数

(c)TECMO,LTD.1996,1997,1998,1999,2000

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