それまでのドライブゲームといえば、そのほとんどが決められたコースをいかに速く走るかが目的だった。そのため、個人的にどうしても「走っている」ではなく「走らされている」感じがして、何度もプレイする気にはならなかった。
だが、「CRAZY TAXI」は違った。大きな街全部がコースになっていて、車で進入可能なところであれば、歩道でも野原でも線路でも、どこでも走ることができる。もちろん、決められたコースなどなく、自分の思うがままに目的地への最短コースを考えて走ればいい。障害物や対向車なども、文字通り蹴散らして爆走することができる。
既存のドライブゲームとかけ離れた「CRAZY TAXI」を初めてプレイした時の感想は「これこそ、僕の求めていたドライブゲームだ!!」。初プレイは友達の家なのだが、その日は勢いで朝まで8時間以上やり続け、手の皮がすり切れるほどプレイした。始めのうちはその自由度の高さを楽しんでいたが、プレイしていくうちにさらなる魅力が隠されていたことに気が付いた。
ただ大味なだけのゲームだと思っていたのだが、より高いスコアを狙うには高度なテクニックが必要になる。クレイジーダッシュやクレイジードリフトなどを使いこなし、レースゲーム以上にシビアな操作をしなければならない。「CRAZY TAXI」に慣れていない時はただ走ることが楽しかったが、ある程度慣れてくると今度は無駄のない「魅せる走り方」をするのがおもしろくなる。
「CRAZY TAXI」は、やりこめばやりこむだけ味の出るスルメ的なゲームだと思う。しかも、プレイする度に新たな面白さを発見できるから、プレーヤー毎に違った遊び方、楽しみ方ができる。まだプレイしたことがない方は、ぜひともプレイしていただきたい。
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