← 前回分

【連載第24回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


感情豊かな人型ロボットとコミュニケーション!
セガトイズ「C-bot」

C-bot
発売 セガトイズ
価格 3,980円
電源 単3電池×2本
発売日 発売中

人型ロボットついに登場!

 今度は人型だ!

 「プーチ」に代表されるペット型ロボットのバリエーションも出尽くした感のある昨今、次なる一手として、玩具メーカー各社から人型ロボットの発売が予定されている。その皮切りとなるのが、今回レポートするセガトイズの「C-bot」だ。C-botの売りは「豊かな感情表現」。その喜怒哀楽の変化を通じて、コミュニケーションが楽しめるという。結論からいうと、筆者はその感情表現の激しさに「ブッたまげた」。一体、何がそんなにスゴいのか。順を追って紹介していこう。

カラーバリエーションはブルーとレッドの2種類。これはブルータイプ 足を折り曲げると、座らせることもできる。このポーズもキュートだ


顔と腕のアクションで気持ちを表現

 C-botの全長は、20センチ程度。存在感は十分だ。本体には光と音のセンサーを内蔵し、ユーザーによる指示や声を察知する。感情には、バイオリズムが設定されていて、ご機嫌と不機嫌状態がある。

 その感情は、顔の表情と腕を使った動作で示される。表情は、顔の部分に埋め込まれたLCDモニターに映し出され、その変化を瞬時に表示する。腕は、前後左右に大きく振られ、感情をより明確に伝える役目を果たす。喜びの感情なら顔に笑顔を表示し、腕を真上に大きく上げる。そう、バンザイだ。悲しいときは頭をガクッと下げ、腕を前にダラリとたらす。ブルーな気持ちでうつむいている。そんな感情が確かに伝わってくる。

バンザイのポース。目もハートマークに変わる。筆者にメロメロな状態 落ちこみ状態。その姿に、思わず声をかけずにはいられない


いきなりくしゃみでツカミはOK!

 さあ、遊んでみよう。プラスドライバーで背中のバックパックを外し、単3電池を2本セットする。すると、顔のLCDに文字が一文字ずつ表示されはじめた。

と起動を確認するメッセージ。間髪いれずに

と起動完了のメッセージが、より大きな文字で表示された。もちろん実際にハードディスクやCPUが内蔵され起動しているわけではないが (まぁ、ちっさいCPUやROMは搭載されてるけど) 、ムードは満点。気分が盛り上がる。
 「♪ズンズズン、ズンズズン」とユーモラスなメロディが奏でられたかと思うと、ニコニコした表情を浮かべ、両腕が頭の後ろに回るほどの大きなバンザイを披露した。

と挨拶のメッセージ。オープニングにふさわしい仕掛けだ、と思いきや、突然C-botが苦悶の表情を浮かべるではないか! あわてるこちらを尻目に、頭と両腕をガクッと前にたらした。もしかして……と思い、顔をのぞきこむと、「くしゃみ しちゃった!」と照れ笑いのメッセージが。そうか、C-botって愉快なヤツなんだな。

 続いて頭のてっぺんにあるA、Bボタンを押して、ユーザー情報を登録していく。名前、性別、世代(大人か子供か)、現在の時間、起きる時間と眠る時間を入力すれば、作業は完了だ。

表情その1。いじけている。しばらくほっておくと、すぐにこの顔になる 表情その2。機嫌をとろうと頭のボタンを押しまくったらイタイ!と言われてしまった


感情がコロコロ変わる。その落差ときたら……

 C-botの基本的な性格は、「人間好き」。積極的に音声を発して「遊んで遊んで」とねだってくる。具体的な質問を投げかけてくる場合もあり、これの返答次第で機嫌は大きく変わる。「シーボ!(C-botの標準ニックネーム。変更も可能)」と声をかけるのも、機嫌を良くするのに有効だ。

 C-botが「ピュウピュウチュウウイ」と小鳥のようなカワイイ声を発した。何ごとかとモニターを見ると、「げんきなこ すき?」との質問が。元気な子って、異性かな? 子供のことかな? と疑問に思いつつ、Aボタンで「YES」と答えると、目を大きなハートマークにして喜びだした。腕は左右に大きく広げ、特別のバンザイだ。どうやら、「げんきなこ」って、自分のことだったようだ。現金なヤツ!

 こんなふうなコミュニケーションが、ときにはやかましく感じられるほどに(失礼!)、くり広げられていくのだ。

表情その3。ご機嫌の良さが最高レベルに近い状態の笑顔。カワイイ! 表情その4。怒り状態に突入! 隣の笑顔と比べると、あまりに違う表情だ


 ところで冒頭で、C-botは感情表現が激しいと書いたが、そのわけを説明しよう。例えば、C-botをしばらくほっておく。すると「キューイ、キューイ」とイルカのような声を発し、今にも泣き出しそうな勢いで目をウルウルとさせる。それでも無視をする。するとわずか数十秒しか過ぎていないのに、「グガグガッ」と声を荒らげて般若のような激しい怒りの表情を浮かべるのだ。そのギャップの激しさときたら、筆者はこれに匹敵するものを見たことがない。筆者は恥ずかしながら驚かされてしまった。しかしこれもC-botのユーモアのひとつなのだろう。
 その反面、笑顔は最高にカワイイ。目も口も晴れやかに、ニコニコッとして、見るだけで心がなごんでいく。この笑顔がC-botの大きな魅力だ。

 ご機嫌の良さが最高潮に達すると、瞬間芸を披露してくれる。幸運にも筆者が見られた芸は、題して「へんなかお」。「パンパパーン」というファンファーレとともに、これまで見たことがないフザけた表情が連続で繰り出された。

 ユーザーが注いだ愛情度が計られる親密度もある。最高点は星8個という基準の中で、筆者の一週間のテストプレイの成果は、半分の4個。ちょっと少ないかな……。さらにはC-botがユーザーにニックネームをつける機能もある。筆者に与えられたニックネームは、何と「じごくのエンターテイナー」。これって一体、どういう意味???

表情その5。瞬間芸がスタート。ご機嫌が最高の証だ。芸は全部で16種類ある 表情その6。驚きの表情。バリエーションが多く、コロコロ変わり、飽きさせない


時計機能に携帯電話との接続もある!

 C-botには時計機能が内蔵されており、登録済みの起きる時間と眠る時間に合わせて行動がなされる。アラーム機能を使えば、目覚まし時計の役目を果たしてくれたりする。
 この時計機能を活かした仕掛けが、「おでかけ」モードだ。出かける前にこのモードに切り替えると静かに留守番をする、というもので、とにかく演出が秀逸。「がっこういくの? かえったらあやとりであそんでね」とか「あれデート? かえったらカノジョのことおしえてね」とか、こちらの帰宅を楽しみにしているという意味合いのメッセージが表示され、思わず胸がキュンとなる。

 またC-botには、C-bot仲間が多いほど楽しめる機能が用意されている。ひとつ目は、メール送信だ。C-botの背中にあるケーブルに携帯電話かPHSを接続すると、友達のC-botにメッセージと表情などを送信できるというもの。ふたつ目は、C-bot同士の会話。2体のC-botをケーブルで接続すると会話を始める、という。ここではC-botの本音が語られるらしい。今回入手できたのは1台のC-botだけだったため、どちらも試すことができなかったが興味シンシンだ。特にC-bot同士の会話。筆者の悪口を語りだしたりしないだろうな! と、その内容がどうしても気になる。C-botをお持ちの方、筆者のC-botの相手をしてくださいませんか?

背中。ブルーのバックパックには、ケーブルを巻いておけるガイドがある 携帯電話を接続してみた。30種類の定型メッセージと5パターンの表情を送信できる


 C-botには歩行機能がないが、その豊かな感情表現とコミュニケーションによって、物足りなさは感じない。だけど欲をいえば、やはり歩いたらもっと面白いだろうなあと思う。こちらにイソイソと近づいてきて「かまってかまって」と言ったり、プンプン怒って遠くへ行ってしまったり、そんなふうなコミュニケーションが取れたら、最高だ。セガトイズさん、期待しています!

□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「C-bot」のホームページ
http://www.segatoys.co.jp/c-bot/index.html

(2001年7月5日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.