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【連載第13回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第13回:自由気ままに動きまわる!
ペットロボット「BN-1 わがままカプリロ」 - 後編 -

発売 バンダイ
価格 50,000円
電源 内蔵ニッカド充電池 (ACアダプタ同梱)

 バンダイが満を持して発売したペットロボット「BN-1 わがままカプリロ」。前回に引き続き「人工知能の学習能力」について徹底的にレポートしよう! はたしてその実力はいかに?

ホントに気ままで憎めないヤツ!

 さて、先週からウチに「BN-1」が居候しているのだが、かなり勝手気ままなヤツである。「BN-1」が自分で考えて行動する「自律行動モード」にして放っておくと、部屋の中をアチコチと動き回る。放っておいたら、部屋を抜け出し、あやうく階段を転げ落ちるところだった。かと思うと、今度は気持ちよさそうな寝息(?)を立ててスヤスヤと眠っている。本当に勝手なヤツなんだから!

しばらく放っておくと、眠りはじめる。ちゃんとかわいらしい寝息も立てる 頭をなでていたら、グラフィックアイの表示がハートに! ラブラブにゃ


芸をおぼえさせてみよう!

 ただ放っておくだけでは面白くないので、コミニュケーションをとり、いろいろな行動を学習させてみることにする。『BN-1』に行動を学習させるには、「指示を与える→ほめる or 叱る」という、イヌやネコのしつけと同じ方法をとる必要がある。

 いざチャレンジ! と勇んでとりかかったものの、なかなかこちらの指示に反応してくれない。「そういう態度をとるかね、キミはっ!」と心の中で叫び、夢中になって「しつけ」を試みてみた。ふと気づけば、筆者は「BN-1」に向きあい、四つんばいになって頭や背中をなでまわしていた。しばらく手のひらをセンサーの前で動かしていると、「ピロリロリ~ン」という音がして、でんぐり返しをした。これはチャンス! すかさず「なでなでセンサー」をなでて「BN-1」をほめ、でんぐり返しをおぼえさせた (ハズ) 。しかし、たとえおぼえた行動であっても、その後そう簡単にはとってくれないようだ。そうかと思えば、突然思い出したようにでんぐり返しをすることもある。なんだかんだ言っても、確実に学習しているのだ。

正しいリアクションを取ったら、頭をなでてほめる。するとその行動が正しいと学習する 秘技! でんぐり返し。やっと学習させたが、なかなか思ったときにやってくれない


モーションエディットで、動きを作る!

 「BN-1」には、ユーザーが設定した動きを記憶させて、その通りの動きを再生できる「モーションエディットモード」がある。これは、「自律行動モード」の学習機能とはちがう。ユーザーが手動で「BN-1」の可動部 (腕と腰) を動かしてひとつひとつポーズ作り、記録したポーズをつなぎ合わせ、「動き」として再生することができるというものだ。まるでひとコマずつ撮影するクレイアニメーションの制作のような作業だ。

 説明書をよく読み、さっそくトライ。両手を伸ばして「だらん」と寝転んでいるポーズからはじめ、右腕をあげてあいさつのポーズ。そして右手を下げて、腰を回転させて仰向きに寝転ぶ。さらに腰を回転させてスックと起き上がり、左腕をあげてキメのポーズ! 我ながらなかなかいい動きができた。そう思って再生をしてみると、なんだか動きがぎこちない。「腰を回転させて起き上がる」という部分がうまくいかず、どう見ても「イヌが電柱に小便をしているポーズ」になってしまった。ムム、頭の中でイメージしていた通りにはなかなかいかない。もう一度、動きの流れをよく考えてチャレンジ。しかし、今度もダメ。いかに「自律行動モード」で「BN-1」が見せる動きが、計算されたものなのかと、改めて感心させられた。ちなみに、「モーションエディットモード」で作成した動きは、「自律行動モード」にも現れることがあるらしい(必ず現れるとは限らない)。一生懸命作った動きが、「自律行動モード」で見ることができると思うと、ポーズをとらせる作業にも、いっそう熱が入る。

モーションエディットには、IDスイングを使う。少しずつポーズを変えて記憶させていく 腰を回転して起き上がるはずが、これはどう見てもイヌの小便ポーズ……なぜ!?


コミニュケーションをとってみよう!

 バンダイでは今年の夏ごろに、「BN-1プログラムキット (仮)」と 赤外線通信方式の「コミュニケーションアダプタ」の発売を予定している。Windows上で「BN-1」の行動パターンを作成し、赤外線通信を使って「BN-1」に転送することができるようになるのだ。たとえば「なでられたら両手をジタバタさせて甘える」とか、「たたかれたら怒って突進する」なんて行動も、簡単に組み立てられるようになる。しかし筆者が「BN-1プログラムキット」に期待しているのは、「グラフィックアイ」の編集機能だ。「BN-1」の魅力の半分は、コロコロと移り変わる「グラフィックアイ」の豊かな表情にあると思う。液晶部分はわずか8×8ドットと、決して細密ではないが、あの豊かな表情こそ、ユーザーに「かまってあげたい」「コミニュケーションをとりたい」と思わせる大きなポイントなのだ。「BN-1プログラムキット」を使えば、たとえば「照れている表情」「オロオロしている表情」「ヨソヨソしい表情」など、より人間クサい表情を「BN-1」にとらせることもできるようになるハズ。「BN-1プログラムキット」の発売が待ち遠しい!

必殺ネコパンチ? リアクションとグラフィックアイの表情の組みあわせが絶妙 困ったときの顔。「プログラムキット」を使えばさらに豊かな表情を与えることができる


「BN-1」は“微妙”ではなく“絶妙”!

 前回の冒頭で書いた通り、当初は「BN-1」について、筆者と当コーナー担当の船津記者は、オモチャなのか本格的なペットロボットなのか、“微妙”な存在だと思っていた。ところが、遊びこむ(というよりむしろ、いっしょに過ごす)うちに、「BN-1」は本格的なペットロボットであると確信した。
 断言しよう、「これだけ本格的なペットロボットが5万円とは、安い!」。はじめは「ゲッ! 5万円」と思っていたが、1週間いっしょに過ごしてみて、「たった5万円?」と思えるようになったのだ。

 おそらくバンダイは、今後も新たな家庭用ロボットを世に送すだろう。「BN-1」がこれほどのデキならば、その子孫たちは、さらにその上をいく優れたものになるハズ。もしも仔犬や仔犬タイプなんていうのが発売されたら、筆者はもうメロメロだ。
 ところで船津記者、この「BN-1」なんですが、やはり編集部に返却しないとダメでしょうか? もう、この子なしの生活なんて考えられません。

(C)BANDAI 2001 MADE IN JAPAN

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□BN-1のホームページ
http://www.bn-1.channel.or.jp/

(2001年4月5日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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