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【連載第3回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第3回:カラオケマシン「e-kara」

発売 タカラ
価格 5,800円 (税別)
電源 単3×4本 (別売)
付属品 専用ケーブル
別売ソフト e-kara専用カートリッジ (18曲入り2,480円)

オモチャによるカラオケ文化大革命

 前回紹介したトミーの「キッスサイト」に続き、今回はタカラの家庭用カラオケ「e-kara (イーカラ)」をレポートする。「e-kara」は、曲の音量やテンポの調整といったカラオケに必要な機能を搭載したマイクに、曲データの入ったソフトカートリッジを差し込んで使うカラオケシステムだ。専用のソフトカートリッジは、18曲入りで1本2,480円。

カラオケ機器の機能を備えたマイク。裏面にはカートリッジ差込口があり、底面にテレビと接続するケーブルを差し込む 専用のソフトカートリッジ。ゲームボーイ用のソフトと同じ程の大きさで、厚みはわずか約5ミリ。中のチップに曲のデータが入っている


驚くほどにコンパクト

「e-kara」から外部に接続するケーブルは1本だけ。他には必要なものは何もない
 「本体はどこ?」これが「e-kara」手にしたときの最初の感想だ。カラオケといえば、曲を再生するプレーヤー本体とマイク、テレビの3つの機器を接続して使うものがほとんど。しかし「e-kara」は、マイクにカラオケ機器の機能をまるごと内蔵している。例えば音声のキーコントロールやテンポの調整、曲のボリューム調整などもマイクひとつで行なえる。しかも、曲は専用カートリッジをマイクに差し込むだけ。CDやLDのように、プレーヤーを用意する必要がない。コンパクトさに加え、セッティングの手間がほとんど必要ないのも「e-kara」の特徴だ。マイクに電池が入っていれば、ソフトを差しこみテレビとつないぐだけですぐにカラオケを楽しめる。この手軽さは、まるで家庭用ゲーム機だ。タカラでは、この「e-kara」を「Plug It!」シリーズと名付けている。まさに、パソコンで言うところのプラグアンドプレイ (つないで遊ぶ) を実践しているカラオケ機なのだ。

e-karaの機能を徹底チェック

 今回試したカートリッジは、人気の高い「J-POP MIX vol.1」。収録されている曲は、宇多田ヒカルの「Automatic」や倉木麻衣の「Stay by my side」、GRAYの「Winter,again」など、メガヒット曲ばかり。その中から、宇多田ヒカルの「First Love」と「Wait & see~リスク~」を、CDと聴き比べながら歌ってみた。さすがにCDと比べてみると、音色や低音部分に違いがある。ただしこれはカラオケの曲特有の軽さで、さして気にはならない。またテレビ画面には曲にあわせて歌詞とイメージ画像が表示される。歌詞表示のタイミングはバッチリ。イメージ画像は、歌詞やテーマにあわせたものが用意されている。ただし「First Love」の場合、宇多田ファンの筆者には、もうひとつピンとこない画像だった。

 それより驚いたのは、カラオケ機器としての豊富な機能だ。曲の音量設定はもちろん、7段階のテンポ調節、3種類のエコー、3種類のエフェクト、12段階のキーの変更ができる。思っていた以上に本格的だ。特にエコー機能はいい。カラオケボックスにあるようなボリューム式のエコーの場合、なかなか思ったように設定できないことがある。一方「e-kara」では、「フロ (風呂) エコー」「ホールエコー」「やまびこ」の3種類が用意されている。画面上のアイコンを選ぶだけで、ちょうどいい具合のエコーがかけられるのだ。もちろん、ノドに自信のある人はエコーを切って歌うことも可能だ。

画面右上には、エコーとエフェクトのアイコンが表示されている。切り替えはマイクのボタンで行なう 画面には歌詞とともにイメージ画像が表示される。中には、あまり曲と関係のないものも……

たとえばこんな使いかた

演奏中のマイク表面。液晶窓に、演奏中の局番号が表示される
 「e-kara」が電池で動作するのならば、屋外で使うこともできるハズ。そこで、花見を想定して、ラジカセに接続して使ってみた。テレビと違って、歌詞表示を見ながら歌うことはできない。ところが「e-kara」のソフトカートリッジには、収録曲の歌詞カードが付属している! しかも演奏する曲の番号は、マイク上の液晶表示で確認できる。つまり「e-kara」とラジカセさえあれば、どこでもカラオケを楽しめるのだ。またカーナビや車載テレビには、音声と映像入力端子が備わっているものもある。例えば、ドライブ中に渋滞に巻き込まれたときなどでも「e-kara」があれば、時間を持て余すことなく、楽しいひと時を過ごすことができる。長い距離をドライブする場合などには、とくにオススメだ。

700曲を越える、楽曲の充実ぶり

3月の時点で、本体の累計100万台の出荷数を見込んでいる「e-kara」。今後も毎月コンスタントに、ソフトカートリッジの発売を予定している
 ソフトカートリッジの種類は、1月下旬の時点で38本、700曲以上の曲数がそろっている。曲のジャンルは、「J-POP MIX」のように若者向けのものばかりではなく、「アーティストセレクション vol.4(石原裕次郎)」や「演歌道」など、大人向けのソフトもラインナップされているという充実ぶり。実は「e-kara」の曲データは、カラオケボックスで有名な第一興商のカラオケ機器「DAMシリーズ」から提供を受けているとのこと。なるほど、発売からわずか4カ月でこれだけの曲数がそろったというのもうなずける。タカラ広報によると、モーニング娘。の曲を収録したカートリッジが一番人気らしい。一方で意外だったのが、演歌を専門に収録しているカートリッジの人気も高いということだ。

 複雑な操作を必要としない「e-kara」は、10代から20代のカラオケファンはもちろん、それより上の年齢のカラオケファンにも十分に楽しむことができるだろう。

(C)2000 SSD CO., LTD.
(C) TAKARA CO., LTD.2000

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「e-kara」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/e-kara/index.html

(2001年1月26日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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